人間と細菌

写真はナショナルジオグラフィックの2013年版から、転載したものです。
走査電子顕微鏡の画像に着色した、「連鎖球菌」です。
思わず見とれてしまいます。
(本来の画像は下の記事のような白黒です。)

ところで、細菌に関する”数”の事ですが、以下の数字、分かりますでしょうか?

口の中:8000
鼻の穴:2000
耳の後:2000

これは個数ではなく、それぞれの場所にいる細菌の『種類』です。

つまり、口の中には8000種類の細菌がいますよ!という”種類だけ”の話です。(総数では口の中だけで数億個になります

もちろん、その殆どは常在菌と呼ばれ、人に害をなさない、むしろ有用な菌ばかりです。
細菌というと、”汚いもの”と目の敵にしがちですが、人に害なす菌はむしろ少数派だということを、認識することが大事です。

数から分かるように、誇張ではなく、人間は細菌を衣服のようにまとい、細菌の海の中を泳いでいます。
そして、われわれは細菌の助けなくして、生きてゆくことはできません。

一人の人間に関連する細菌、その数600兆、国の借金が1千兆円越したので驚かないかもしれませんが、人体を構成する細胞が60兆と計算されますので、その10倍に上ります。
重量にすると、約1.5Kgに相当し、脳や、肝臓の重量に匹敵する量です。

腸内では細菌叢(フローラ)を形成し、その種類は数万種にのぼり、腸内細菌の総数は100兆個を超え、多くは消化や免疫に有用であり、身体に害をなしません。

…おまけ

腸内細菌には体重のコントロールに有用に働いている菌がいることが分かっています。
この菌の活動を助けると体重が減るわけです。
明確な活動増加因子が判明していないのですが、抗生物質でこの菌の活動を妨げると体重が増えます。
家畜の飼料にはこの目的で抗生剤が添加されています。

「家畜の体重増加目的のための、飼料への恒常的な抗生物質添加」です。

院長はこの項目を目にしたとき、自分の目を疑い、めまいがしました。

現在日本では、治療の目的ではなく、毎年千トン単位の抗生物質が、『肥育目的』で連綿と投与されているのです。
医療者としては正直な感想『うそでしょ!』という信じがたい驚愕の事実ですが、その話はいずれまた…

皮膚と常在菌

同じくナショジオのHPよりの転載、ブドウ球菌の走査電顕の着色画像です。

人の皮膚には、表皮ブドウ球菌、アクネ菌が主な常在菌として存在し、有害な細菌の侵入に目を光らせています。
通常毒性の強い溶連菌や、大腸菌などの病原菌が皮膚に付着した場合、皮膚常在菌は分単位でこれらを駆逐してしまいます。

人は自分にとって無害な細菌をまとって、凶悪な細菌を排除しているのです。

一部の皮膚常在菌は、自分の代謝産物で、皮膚を健康に保ってくれます。
そしてこれらの皮膚常在菌の活動に欠かせないのが、皮膚から代謝、産生される、いわゆるヒトの分泌物です。

過度にこれらを洗浄などで”剥ぎ取って”しまうと、これらの有益な菌の活動を抑えてしまうことになります。

過度の清潔志向が戒められる所以です。

…で、黄色ブドウ球菌が、のさばった病気の一つが下の『とびひ』ですね。

2014-07-24 とびひ(伝染性膿痂疹)

夏は『とびひ』のシーズンでもあります。
正確には、『伝染性膿痂疹』といいますね。

原因となる主な菌は、「黄色ブドウ球菌」や「連鎖球菌」と呼ばれる細菌です。

ホントにブドウみたいなので「ブドウ球菌」と言います。

ホントに鎖が連なってるみたいなので「連鎖球菌」と言います

特に黄色ブドウ球菌は、毒性が強く、耐性菌も多いので皮膚症状がひどくなりやすいです。

『とびひ』は皮膚科の病気でしょ?と思われますが、耳鼻科の領域は『とびひ』の好発部でもあります。
具体的には、目の周囲耳の周りなど、皮膚が薄いところ、よく手が行って、ついつい触りすぎるところです。

特に鼻腔(鼻の穴)ブドウ球菌が潜みやすい場所ですので、ここを中心にして全身に”飛び火”することがあります。

よく見られる症状は、蚊に刺されたあとを掻きすぎて、皮膚が荒れたところに、水泡やかさぶたが出来て、ジュクジュクしたようになる。
これが、足や手、身体のあちこちにできる…というものです。

治療は基本的には対症療法です。

皮疹部の外用療法(軟膏など)、内服療法です。
菌の種類によって、薬を変更します。

首から上の『とびひ』は耳鼻科へ!と宣伝しておきます。

…おまけ

黄色ブドウ球菌は、食中毒の菌としても有名です。
症状は、下痢や嘔吐などの「激しい胃腸症状」と表現されます。

食中毒の中ではもっとも、短時間に発症します。食後1時間から6時間以内にほとんどが発症します。
(逆にこれより短くて発症するもの、これを超えて発症するものは、ブドウ球菌が原因ではない可能性が高いです。)

理由は菌外毒素と言われる、菌が産生した毒素が食物に含まれていて、これが中毒の原因になるからです。
厄介なことに、加熱ではこの毒素が消えません
火を通せば食中毒は大丈夫という理屈が通用しません。
おまけに人の皮膚の上にたくさんいる菌であり、繁殖力が強く、毒素も強いという結構危ない菌といえます

Googlej四番に

www を検索 tateishi-ent-cl.com を検索

対応疾患

診療時間日祝
9:00~12:30


14:30~18:00







■・・・16:00~19:30 まで
▲・・・9:00~15:00まで
休診日/木曜午前・土曜午後・日曜日・祝日


スマートフォンサイトはQRコードを読み取ってアクセスしてください。