筋弛緩剤一極へ 2016年

手術時の全身麻酔には、非脱分極性の筋弛緩剤を使いますが、寡占が決定しています。

ベクロニウムは製造中止、ロクロニウム(エスラックス)の一人勝ちです。
別に悪い薬であるとかいうわけでは有りませんが、他の筋弛緩剤に比べると大きな特徴が有って、それは、筋弛緩からの離脱の拮抗薬として”特効薬”が存在することです。

極論すれば、なにも考えずに、離脱したい時期に”特効薬”を打てば筋弛緩がとれるのです。

じゃあ、問題ないじゃないか?

問題は価格です。
筋弛緩薬、ロクロニウムの価格は千円程度、これまで問題なく使われてきて突然薬価請求できなくなった(使えなくなった)写真のベクロニウムと大差ありません。

拮抗薬(リバース)としてのスガマデクス(ブリディオン)は1A(2ml)で薬価基準で9千円位します。

現在必要最小限の麻酔料は大まか6万円くらいでしょうか。
これにスガマデクスが加わるだけで7万円にアップする計算です。
たった一剤増えるだけで一万円上昇、これを高いとみるか、許容範囲とみるか。
大学病院、総合病院の先生に意見を聞いたところ、正直な反応は”それがなにか?”という感じです。

大病院のように大手術で長時間の麻酔をもっぱらかけるときは、リバースとしてのスガマデクスもあまり必要ないのですが、以前大学に出向いていた時の使用頻度は麻酔時間に関わらず、半端じゃなかったので、コスト意識という点では大学は(やっぱり)いろいろと問題が有りそうだと肌で感じている院長でした。

この辺の、開業医と大病院のギャップは埋まりませんね、昔っから…って、院長も元は大病院出身なのですが。

手術中に使用して必要と認められる薬剤は、保険請求が可能ですので、この上昇した薬代は、そのまま患者さんへの保険点数に上乗せされます。
念のため言い訳しておくと、麻酔にかかる費用が上昇するのですが、薬剤費が加わっただけですので、医者の懐には何も残りません
患者さんの負担(払う薬代)が増えるだけです。

ところで薬を作って売る流れには、暗黙のルールがあります。
「解毒剤(拮抗薬)の無い薬は売ってはならない。」というものです。

皆(”皆”って誰?)余り知らないこのルール。

突っ込みどころ満載の”不文律”なのですが、明確な拮抗薬のある薬が残ったとだけ言っておいて、後は敢えて封印します。

駆逐されてしまった筋弛緩剤も、残ったロクロニウムも、拮抗薬のスガマデクスもじつは同じ会社が販売しています。
メルク(現MSD)はメルクマニュアルはじめ、世界の子供達への教育にも非常に熱心な、素晴らしい会社です。

そうはいっても、写真のように賞味期限の残っている、しかし”使えなくなった”薬を見つめて、何とも言えない気持ちの院長でした。

…ところで

C型肝炎治療薬が、高価であると話題になっていますね。
一錠で、6~8万円しますので、一回の治療のトータルで500万円程かかる計算になります。

一部の医療機関では、書類上の不備で保険者側から『返礼』という形で、査定を受ける例が数多く報告されています。
あっというまに数百万円の”焦げ付き”です。

調剤薬局、処方医師の慌てふためく姿が目に浮かびますが、懲罰的な意味も有るのでしょうか、結構耳にします。

こんな一面の現状を考えると、一万位薬代が高くなっても…、それがなにか?という感じになるのかもしれませんね。

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