Z1000-FE108sol とベーゼンドルファー

やってきました、Z1000がその真価を発揮する時が?!
…、と言って、何か月かが経過して、鳴らしこみが終わってきたかな?、という意味でしょうか。

院長の現在の試聴環境は、Z1000にとって、十分に満足してもらえるものでは無いかもしれません。
診療室の区画を幾分か…、あまり広いスペースが取れずに衝立で間仕切って、定常波が出ないように、角度をつけて立て、表面には簡易の反響防止版を設置…、して聞いております。
ま、建物は鉄骨で、壁はあまり厚くないので、低音域は程よく抜けてこもりはなく、Z1000で相当に大きく音量を上げても、ビビったり、音が割れたりワウッたりなどの”ウルサイ音”が出るようなことは有りません。

先日大掃除の時、カーテン取っ払ったら、”わぁ、声が響く!?”という程度…のセッティングです。

ポテンシャルが素晴らしいZ1000に相応しい音楽ソースはごまんと有るでしょう。
なかでも院長のシステムと現在のオーディオ環境を鑑みて、現在Z1000と最も相性の良い器楽は、ピアノではないかと…。

それも、ズバリ、『ベーゼンドルファー インペリアル290』!他のピアノに比し豊かな中低音域は何にも代えがたいと感じるときが有ります。
院長の持論では、ベーゼンドルファーの特に『インペリアル290』は他のピアノとは違う種類の楽器というべきではないかと…。
(だから、ショパンコンクールの公式ピアノからベーゼン…は外されてるのじゃないか(?))

フルコンサートピアノはその名の通りフルオーケストラにも伍するように開発されていますので、その幅広い音域と音量をリアルに、心地よく再現できるか否かはオーディオシステムにとっては結構、高いハードルです。

当のZ1000は⇒『Z1000』のPart 1で中高音域の音の出方が素晴らしいと書きましたが、中低音へのつながりの良さが整った今…、ダメ耳の院長の耳に狂いはなかったようです??(って意味がわからん?!)
練れてきたユニットと相まり、更に伸びた音の良さは、本格的に”Z1000の音”を奏で始めました。

上の写真のCDの裏にはこういう記述があります。
    時にピアニストは、歌うように弾くことを心がけるが、私はべーゼンドルファーのように歌いたい…” 
                                                     ープラシド・ドミンゴ

最高の楽器としてのピアノの”歌”、はZ1000の能力に素晴らしくマッチしていると感じます。


…ところで突然ですが…

人間の可聴帯とピアノ

ピアノは極めて科学的に発達してきた”理性的な楽器”といえます。

…まあ、現在生き残っている楽器は皆そうかもしれませんが…。

人間の可聴帯域の周波数は20Hz~20,000Hzですが、音程として認識できる周波数は30Hz~4,000Hz程度です。

これより下の音はゴロゴロという唸るように感じ、高い音は耳障りなノイズとして”感知”できるだけになります。

この、人間が好む、30HZ ~4,000Hzの音域を諧調の幅として、88鍵盤に割り振ったのが、現代のピアノです。
もちろん、弦の響きには倍音というものが生じますので、周波数は2万Hz付近まで届くときもあれば、饗板の効果で抑制のきいた音にもなり、この付近のチューニングが各ピアノの特徴的な音として表現されることになるわけです。

ただし、更なる音楽の表現方法として、ピアノに今一度のブレークスルーを求めた作曲家(プゾーニ他)が出現するのは歴史の必然で、彼(ら)がベーゼンドルファーに働きかけて作製したのが、インペリアル290(97鍵盤)の原型とされます。
290の特徴はなんといっても大きな饗板で、加えて追加の9つの鍵盤(エクステンドキー)のために張られた超低音のための弦。
これらが相まって、インペリアルサウンドといわれる独特の中低音の響きが生み出され、”生ける伝説”の楽器が誕生します。
ただし追加の鍵の音はあまりに低く、”理性”ではなく主に”感性”の領域のため通常のスコアにはあまり登場することが無いのも事実です。

プゾーニはスコアは残しましたが、彼自身が97鍵盤を弾くことは叶わなかったようです。
同時代彼のほかにもドビュッシー、ラベル達はこのベーゼンドルファーの響きの効果、を狙ったピアノ曲を作曲しています。

ドビュッシーの「前奏曲集」で『音と香りは夕暮れの大気に漂う』の最後のパートは”通常”のピアノにもある最低音Aが印象的に使用されます。
ベーゼンドルファーは、チューニングやマイクのセッティングによる違いはあっても、低音の弦の響きが独特なので結構分かります。
私にはドビュッシーがベーゼン…のこの”A"の音色のために、この曲を作ったのではないかと思える位心に響く音です。
(※ドビュッシーは『ベヒシュタイン』を”愛した”とされますが、愛用のピアノは『ブリュートナー』でしたので、彼の”愛”は結構”柔軟”…?)

院長のCDはとっくに廃盤なので、皆さんも手持ちのCDを、チェックしてベーゼンの音を探してみませんか?

…で、やっと写真のCDの件ですが、収められている『沈める寺』はスコアでは、通常のピアノのキーで演奏可能ですが、敢えてエクステンドキーの超低音を使用した演奏(解釈)がいくつかあり、上記の「BOESENDORFER SOUND」の録音もその一つです。
演奏はキャロル・ローゼンバーガーさん。
ダメ耳の院長はこのCDの録音と、演奏の評価は皆さんにお任せして…、レーベルは音の良いことで知られる『DELOS』ですが、本作はピアノとホールの音響を含めての全体の音の響きを重視した録音が中心ではないでしょうか?

ローゼンバーガーさんは1970年代デジタル録音の最初期の頃、当時最高のこの録音機材に相応しい、最良の”伴侶”を捜し求めたときにインペリアル290と出会い、”一目で恋に落ちた”と回想しています。

ああ、”伝説”に相応しいエピソードではありませんか。

…で、

本当はこっちが今回のメインの話題かも?インペリアル290のエクステンドキーとZ1000の組み合わせで、院長が気になっている Milcho Leviev  「BULGARIAN PIANO BLUES」です。
ピアノのソロで、カテゴリーはジャズですが、全然マイルド(褒めてる?)、ベーゼンドルファーインペリアル290のエクステンドキーが活用され、特に「B MAJOR!」は、派手さは有りませんが、オーディオシステムの特にスピーカーの能力を”地味に”試されるのではないかという、”弦”のスピードと、パワー、切れ味です。

しかも、演奏は素晴らしく、しっかり音楽的に楽しいという秀作。
オーディオチェックファンの方も、一枚持っていて損はないのではないかと思う優秀録音です。

彼は一年ほどの間に、もう一枚「Man From Provdiv」というピアノのソロCDを出しています。
⇒スタインウェイとベーゼンドルファーでちょっと紹介しましたが、いずれも「Ma recordings」レーベルです。
これまた、内容が素晴らしく、院長が一瞬でもピアノの演奏に”怖さ”を感じたほどのすさまじい演奏(褒めてる!)と録音が含まれるのですが、惜しむらくは廃盤?のため市場の枚数が少なく価格も怪しいです。

ほぼ同時期に、同じ「ハーモニーホール松本」で、同じエンジニアのもとで、同じインペリアル290を使用して録音されていますが、いずれの調律も水島浩喜さん、と聞いて、おおっ、と思う人がいるかも…。
二枚のCDに収録されたそのピアノの響きには、チューニングによるものか、録音機材のセッティングのためか微妙に異なるものを感じさせますので、オーディオチェックマニアには録音の対比も聴きどころです。

『Ma …』レーベルは、常に二本のマイクロフォンのみでステレオ録音されます。
プロデューサー自らがピアニストのため、”音”に妥協が無いレーベルですが、演奏が素晴らしいことが第一。
そして広いダイナミックレンジ、ほぼ無音から立ち上がるS/N比からして驚異です。

最高のホール、最高のピアノと調律師に、こだわりの録音機材と技術。
これらを駆使して”最高の二人のピアニスト”が作り上げた、ピアノソロCD。
「DELOS」レーベルとは異なるアプローチの「Ma Recordings」

いずれも1980年代の録音ですが、音質は極めて良好でピアノの響きとZ1000との相性は素晴らしいと実感できる一枚です。

ハイスピードで高音から得意なユニットを抱く、中音から低音の表現が豊かな、大き目の躯体のZ1000。
そこから繰り出される、ベーゼンドルファーインペリアルの文字通り歌うような、繊細でしかし底力のある、弾き手を選ぶ音。

どうです?ちょっと聞いてみたくなりませんか?

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