外耳炎
外耳、中耳、内耳、の大きく3ヶ所に耳は分けられます。このうちの一番外側に当たる、耳介(じかい)、みみたぶから鼓膜までの部分にただれや、化膿、できものができることを総称します。家族の方が見ただけで、腫れている、表面が荒れている、化膿している、赤くなっている、耳を触った時、引っ張った時や周りを抑えたときに、痛みが強くなるときは、外耳領域の炎症が考えられます。
外耳、中耳、内耳、の大きく3ヶ所に耳は分けられます。このうちの一番外側に当たる、耳介(じかい)、みみたぶから鼓膜までの部分にただれや、化膿、できものができることを総称します。家族の方が見ただけで、腫れている、表面が荒れている、化膿している、赤くなっている、耳を触った時、引っ張った時や周りを抑えたときに、痛みが強くなるときは、外耳領域の炎症が考えられます。
外耳道にカビが生えることがあります。「耳にカビ!?」と驚かれるかもしれませんがかなり頻度は高いです。外耳道真菌症という病気です。
本来、生体にはカビは生えません。生きているので、免疫や防御機能が有りますから、カビも生活するのが大変なのです。これらの微妙なバランスが崩れた時に、カビが生えます。有名なのは白癬菌です。水虫ですね。体の奥深く侵入するので、退治が大変です。カビは時間をかけて治療することが大事です。耳のカビは、白癬菌はあまりいません、白カビ、黒カビが多いです。
耳は、構造上「洞窟」になっており、湿気がこもりやすく、ヒトの場合原因として触りすぎが多いです。慢性中耳炎や外耳道の感染症、その他に体力低下というのはどんな病気にも共通のようですね。耳は”感覚器”(センサー)なので、非常にデリケートに出来ています。なにせ、水素分子レベルの振動を感知するセンサーなのです。
耳掃除により簡単に破壊され、傷がついてしまいます。もうひとつの問題は、繊細な構造ゆえ、耳は修復力があまり強くないことです。何度か破壊されていると、元に戻る力が損なわれます。元に戻らないと、防御機能も失われ、ここに細菌だけでなく、カビが食い込むことになります。
痛みが、結構特徴的です。ジワーっと、文字通り食い込んでくるような、と表現される、持続性の、不愉快な痛みです。
また、綿棒で触った時に、「真っ黒な耳垢が付きました」「とてもくさい耳垢、耳汁」という時も要注意です。治療は、顕微鏡使用によるマメな清掃です。残念ながら、自分では不可能な処置なので、専門の医療機関での治療を行ってください。
外耳道真菌症は、反復する治療が必要です。草取りに例えられます。
100本生えてて⇒一週間後50本⇒さらに一週間後20本⇒10本⇒5本
と生える数を減らしていきます。
ただ、相手も生き物ですので、中途半端になると、勢いを取り戻し、草取りならば、再びボサボサになりかねません。具体的には、手術用顕微鏡を使用して、真菌を文字通り顕微鏡レベルで取り除きます。緻密な作業なので、残念ながら、一回で終了することは無理でしょう。草取りではありませんが、時間をかけて何度か治療が必要な場合がほとんどです。ご本人が耳を触らないようにすることも大事です。もう大丈夫ですねという言葉まで、少し時間と回数をかける必要があります。
中耳炎は、鼓膜より奥の「中耳腔」で起こった炎症のことです。
小児に多く、風邪を引いた時など、お子様が「耳が痛い」という多くはこの病気の可能性があります。
鼓膜に穴があいたまま塞がらない状態です。みみだれが出る時と出ないときとあります。痛みはないのが普通です。
完全に治すには手術が必要ですが、手術せずに耳の処置だけで様子をみている患者様もおられます。
※大人の方も急性中耳炎になります。
”耳の病気”で限定すると、耳が痛くなるのは、上記の外耳、中耳のものが圧倒的に多いです。耳は”全身のツボが集まっている”といわれる場所なので、これ以外でも耳が痛くなります。精神的に応える、きつい話を昔から「耳が痛い話です…」というのは、ダテではありません。”耳が痛い話”を聞いていて、精神的にキツくなって、本当に『耳が痛く』なることがあるからです。
心理的な辛さは、緊張を呼びます。過度の緊張は、肩から上の筋肉の緊張を高め、筋肉の柔軟性が損なわれることにより、頸部の血流を妨げます。この状態が長く続くと、頸部の神経の過緊張を来し、この一部が枝を出している、耳周囲の神経の緊張も過度に高まります。この結果、耳の周囲の痛みを感じてしまうことになりかねません。
もちろん、ヘルペスや顔面神経麻痺など直接神経に関係する病気も有ります。筋肉、骨、スジを痛める病気、斜頸、痙性麻痺、など耳周囲の痛みをきたす疾患はこのほかにも沢山有ります。不明な点は、専門の医療機関にご相談ください。
耳の聞こえが悪い状態を難聴といいます。大きくは伝音性難聴と、感音性難聴に分けられます。
耳垢が溜まったり、鼓膜などの病気で音が「機械的」にうまく伝わらないものをいいます。
「神経そのもの」がダメージをうけることにより、聞こえが悪くなるものをさします。高齢者の聞こえの悪さが代表です。
近年では、ポータブルオーディオを音漏れがするくらいの音量で長く聴くことにより発症するものもあります。
ひとつの耳に伝音性難聴と、感音性難聴が同時に存在している状態です。
耳鳴りとは、耳や頭の中でキーン、ジーンと様々な「無いはずの」音が患者さんには「聞こえる」状態のことです。
耳鳴りは大きく「他覚的耳鳴り」と「自覚的耳鳴り」にわけられます。
自分だけでなく、他の人も聞くことができる耳鳴りです。
筋肉の動きや、血液の流れを音として感じるものが代表です。
自分だけが感じる耳鳴りです。ほとんどの耳鳴りは、この自覚的耳鳴りです。年齢のために自然発生に出るものが多いのですが、気になる方はご相談ください。