麻酔な日々

麻酔専門医の院長にもわからない、

全然自慢にならない

麻酔の不思議

麻酔の”不思議”

麻酔の「定義」

物事には定義、が有って、麻酔にも定義が有ります。
一般に患者さんが以下の状態にあることを指して、全身麻酔状態と定義します。
●無痛
●無動
●無反射
このほか意識消失や筋弛緩を、重要な要素とすることも有りますが、爆睡していてもつねれば起きますし、薬剤で意識を残した無痛状態という特殊な”全身麻酔”状況が作り出せますから、その辺の議論は成書に譲ります。

まあ、難しい事じゃなく、痛かったら麻酔じゃないよねって、誰だって想像つきますね。

…ところが

これ知らんかったら麻酔医じゃないという薬剤二つに、プロポフォール、ラボナール(またはイゾゾール)があります(図)
前者はマイケ〇ジャク〇ンさんが、使い間違えたやつですね。
後者は税務署が血眼でチェックする薬剤です?…という話は置いといて…。

両方とも、超短時間の『麻酔作用』を有する、静脈『麻酔薬』です。

この両方には、鎮痛作用が有りません

種々の結果から患者さんは、意識は無くしているがどうも痛みは完全にとれてないようだと、されるのですが、患者さん本人は全く意識がないので、実質上問題は何も生じません。

患者さんに不都合も生じません。

鎮痛作用がないのに、「麻酔の薬」かよっ!て、じゃあ麻酔の定義って改めてなんなのかっていう事になりますが、まあ医学っていい加減だなーと、院長が思うきっかけになったとか、ならなかったとか…、と言う話は続く…のか?

…オマケ

ラボナールの登場は1935年です。え?79年前、戦前ジャン!ってそーなんです。
新しいイソゾールで1950年代です。
プロポフォールはわが国では1995年から使用されてますが、開発は1965年頃です。

麻酔界で、いまなお燦然と仕事をしている、現役の薬剤が、79歳の大古参とは…。

おかげで、ラボナールは年々薬価が下げられて、とうとう製薬会社がやってゆけない値段まで下げられて、1997年もう作るのやめた!という事態に会社が追い込まれ、これは困ると、麻酔科医も嘆願して、やっとこさ、厚生労働省が製造は可能な値段を提示してもらい、製造の継続を得るというドタバタが有りました。

80年間、現役はすごいと思う反面、代わる薬が無いというのは、誰かの怠慢なのか?と深読みしたくなるところですが、『開発が古くて現役という事は必ずしも悪い事ではない』というお話は…続く。

麻酔はなぜ効くか?

麻酔はなぜ効くか?の問いの答えは

「分かっていない」が正解です。

全身麻酔の発想は、人間の司令塔は、脳だから、ここを「有無を言わない状態」にさせてしまえ!です。
「寝せちまえ」じゃないのは、通常の”寝る”という状態の時、脳は記憶の整理やある特定の場所だけの積極的な休息など、思った以上に役割を決めて活発に”働いている”事が分かっています。
どんなに深く寝ていても、強くつねれば、起きてしまうのは、その領域の担当の神経はちゃんと起きているからです。

…ので、全身麻酔は薬剤で、身体に手術などの侵襲を加えても、痛く無く、ピクリとも動かず、血圧も脈拍も乱れないような、状態を作り出す特殊な工夫と言えます。

蒸し返すようですが、前述の二つの代表的な静脈麻酔の、単独での効果は厳密な全身麻酔状態の定義とは多少異なるようです。(ラベルにはちゃんと”全身麻酔”って有りますけどね。)

…で、麻酔薬を使わないで、麻酔がかかる有名な状態に、「圧力」があります。

何の話?と思いますが、実験でオタマジャクシを入れた容器に圧力をかけてゆくとオタマジャクシは(麻酔がかかって)寝てしまいます。
圧力を下げると、(麻酔が覚めて)起きて動きだします。

はあっ?と思うかもしれませんが、人間にも同様なことが起こります。
有名なのは『窒素酔い』ですね。

通常の空気を使ったダイビングではある程度以上の深度で、麻酔と同じ、意識の混濁を伴う活動異常が起こり『窒素酔い』と呼ばれ、時に深刻な事態に陥ります。大深度のダイビングには、窒素の代わりに麻酔作用の少ない、ヘリウムを使うのはこのためです。

不思議なのは、窒素が体内で何かに変化して麻酔作用を起こすのではなく、単に深度が深くなり圧力が高くなることだけ?により、麻酔作用が起こることです。

より不活性度の高いヘリウムでは酔いは起こらないので何らかの化学反応が起こっているはずなのですが、それがどんなことであるのかはさっぱり分かっていないのが現実です。

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