SOtM tx-USBultra;クロックリジェネレーター|大牟田市の耳鼻咽喉科立石医院

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オーディオ・音楽関係

SOtM tx-USBultra;クロックリジェネレーター

オーディオ・音楽関係

SOtM tx-USBultra ”SOtM”は”ソム”と読むらしいです。

早稲田大学関連のベンチャーが発掘?したらしい韓国の会社です。
オーディオデバイスをよく手がけている会社で、その世界では知る人ぞ知る会社のようですが、院長は予備知識ゼロ、でして信頼のおける方からの紹介でなければ、手に取ることは一生なかったであろう?製品です(笑)

何をする機械かというと「USBクロックリジェネレーター」→”クロック・リ・ジェネレーター”です。
スミマセン何回聞いても分かりませんね。

 

デジタル信号の音楽情報は、「0」と「1」に分割されているので劣化しようがないハズ、だと一瞬思われます。
耳にする音楽の”音質”の多くはデジタル信号⇒アナログ変換の際に決まる、と考えられますし、実際に音楽再生の際は時系列的にデジタル信号をアナログ情報に戻してスピーカーから音として出してやる事が必要になります。
「0」と「1」の信号を音に紡ぎ戻す際に大事な目安となるのが、音楽信号とともに打ち込まれたクロック信号。
この機械は、USB介して送られてくる、デジタル音楽信号に打ち込まれているクロック周波数を、より正確に打ち直してくれるデバイスです。

一言でいえば”伝送ジッターの軽減により『原音』の音質向上をはかる機械”ですね…って合ってるのかな?(笑)。

最近PCオーディオや、外部のオーディオデバイスからデジタルで音楽を取り込む際にこのクロック周波数の良否が音質をかなり左右することが分かって、注目もされてきているようです。

教えてくださったのは『吉田苑』さん。
ただしお店の紹介では、パソコン(音源)からDACへの接続の際にこの機材を中途に”かませる”とクロック打ち直しによって音質が向上するということでした。

PCオーディオは、ハードにソフトに、重要な要素が多く、更にバージョンアップが激しすぎて、院長には到底ついてゆけない”魔界”ですので手を付けれません(苦笑)

(より簡便な)ウォークマンなどのオーディオデバイス接続の際の効果はどうですか?と聞いたところ、お店に実機が有るので試してみませんか?ということで、一式持って出かけました。
試聴では、スタッフさんと”確かに変わる!”でしたが選りすぐりの機材と、チューニングされた視聴室に、ウォークマンの音源…は一見、とってもミスマッチ…。

 

 

自宅での効果の程度を確信できないままに、残念(笑)ながら?吉田苑さんのおすすめが、外れたことがないので、院長は購入を決断しましたが、まあ特に今回に関しては、いつになく”賭け”と感じていましたね。
なんでって、定価が195,000円
電源を併せると20万を軽く越しますので、音質向上への道は、立派な地獄道ですね。

…ああ、これにマスタークロックを付け加えると…(※これは後述)

サイズはこんな感じで、右側の青いLEDが電源、12VのDCアダプターに相当しますが、こんな立派じゃなくても、本体に電源が付属しませんので何らかの電源機材の購入は必要です。

これにPCなどの音楽ソースからUSBで接続してやる”だけ”です。
この際USBケーブルを電源供給線と分離できるようチューニングされたモノを使用してやると音質劣化が軽減できますが、そのあたりは皆さんの方が詳しいでしょう(笑)
例によって?吉田苑さんのお勧め商品はどちらも電源スイッチが有りません。

”またですか?”(笑)と聞いたところ、”実はスイッチングの時が機械は一番痛むんですよ、消費電力も少ないですから(良い音のためです)点けっぱなしで、ヨロシク!”と…。

…で、当家においての肝心の音質はどうかというと、相当変わりました
これまでも、PS-AUDIOのパーフェクトウェーブトランスポート(PWT)とウォークマン音源をガチで比較すれば、同じDACを経由しての音は、高域の緻密さや柔らかさなどは、トータルでも正直、大分差が有りましたが、その差が”幾分”分かり難くなりました(笑)
部屋のチューニングは現況では限界があり、リスニングポイントはスピーカーから2m足らずで、巨大ヘッドフォン的な聴き方で、ダメ耳の院長ですが、今回は好き嫌いでなく”音質”の変化なので、割と正解と思います(思ってる”だけ”かもしれませんが…)。

使用機材は以下の通りです。
・AMP Nmode XPM100-SE
・DAC PS-AUDIO NuWAVE-DSD
・CDトランスポート PS-AUDIO PWT
・Sony ウォークマン 「ZX-1」
・クロックリジェネレーター  SOtM tx-USBultra
・スピーカー 『音工房Z』 Z1000 FE108-sol

今回の主役は『SOtM tx-USBultra』ですが、Z800-FW168HRと同じくらいポテンシャルを発揮してくれたのは、特に”弦”楽器の違いを明瞭に出せる、院長のもう一つのリファレンスなスピーカーZ1000-FE108-Sol。
XPM-100の能力に併せて、素晴らしいポテンシャルを発揮してくれました。

「CLOSE」、「Never Let Me Go」とささやくような、しかしはっきりと歌いかけてくる歌声、リップノイズ、ピアノの”弦”の響きが明瞭になりました。
SOtM tx-USBultra 無しのときは、やや高域にくぐもった感じが有るようで、まあそれは録音が古い(1997年)と言われて、納得か?…位のレベルでしたが、これが一枚フィルターが取れたように、かなり払拭されました。
CDトランスポート PWT との違いの差は、ウーン、なんだろう何かが違うんだけれども…、という差異が残りましたが、それについては後述…するかな?

途中にデバイスを”かませる”のは、ここを”原音”が通るので、なんとなく不安ですが、このリジェネレーターは、クロックの打ち直しをするだけなので、音質そのものに影響を及ぼすことは無い、とされます。

 


「SALTERIO」
サルテリオ;弦楽器の名前ですね。
楽中の主役は、この古い由来を持つギリシャ発祥の古楽器Psalterionの末裔と言ってもいいでしょうか。
私見では、古楽器と言われるものは、装飾音や、味付けが少ないような印象があり、再生も難しいのでは?
リュートしかり、セルペン、チェンバロ、フォルテピアノ、…etc

…で、”超”優秀録音会社のMa Recordingsレーベルのこの一枚も、シンプルゆえに手強さを兼ね備えています。
色付けの少ない弦の音色は、ヘタな録音や再生では聴き続けることが苦痛になりかねませんが、残響音を含む、ややオフマイクで収録されたその音は忠実に再生出来れば、”祈りの楽器”本来の音を奏でます…と、思います。

…やはり、音は変わったね!というのは分かりましたが、しかしそれが良い音であると断言していいのかいまだ決めかねる院長…

今回の tx-USBultra外部マスタークロック入力端子が付いています(無しのも選択可能)ので、内蔵のクロックと音がどんなに変わるのか、10MHzのマスタークロックを採用してみました。
ご存知のように徐々に音質改善の有用性が知られてきても、このマスタークロックというものが、また曲者。
クオーツ、ルビジウム、セシウム 発振素子が色々あります。

スペックでは原子時計といわれるセシウムがより正確ですが、原理的にやや長時間の単位が得意なモノですし、セシウムが蒸発する(寿命がある)など、欠点もあり…、いやそもそもプロじゃあるまいし、オーディオ用のセシウムクロックって、見たことある人、どれくらいいるのか(民生用のセシウムは有りませんし)?
クロック一般、価格も概して高く、最近30万以下のヤツがやっと出てきたというレベル…という知識。

そんな中、院長が今回購入したのは下記のマスタークロックです。

Cyber Shaft社製 「超高精度OCXO 10MHzクロック -ST-」3万9千円也…色々大丈夫?
間違いなく、現在最も価格の安いマスタークロックの部類ですが、納入実績からしてクロックというか、”周波数専門”のコアな会社でして、騙されてもいいとは言いませんが、自称”科学者”な院長は面白そうな会社だな…と、一目ぼれ!…だめだこりゃ。
丁寧な梱包に明らかに一台ごとの試験成績証明書と性能曲線のグラフが同梱され、遅れて頼んだ接続ケーブルの送料もきちんと割り引いてくれていたりという、細かい対応の心づかいのうれしさです。
取説も一読して技術屋さんのプライドとオーディオへの細かな理解が感じられます。

一応なぜ、この機種を選んだかを書いておかないと説得力が無いので…
クロックは周波数の精密さが重要なのは当然ですが、オーディオパーツとして、更なる、良音質の決め手となるのは周波数の正確性だけでは有りません。
詳細は省きますが精密度で比べるならば素子間での差は無いとも言えるでしょう。
じゃあ、なぜルビジウムとクオーツ(OCXO )で、確かに音が変わるんだ?と問えば、ある技術者の方が、理由は簡単だよ、ルビジウムクロックに使われている周辺パーツの方がノイズ(位相雑音)を発生しにくい傾向に有るからさ。

院長の曇った目から、また少しウロコが落ちましたが、サイバーシャフト社の製品には、位相雑音(Phase Noise)の性能証明グラフがちゃんと添付されています。
いくら周波数が正確でもトータルで発生、出力させるための周辺機器の雑音(位相雑音)が、音に関して多大な影響を及ぼすという事実。

技術屋さん、続けて…
でも、位相”雑音”ノイズと言うけど、例えば音叉の440Hz付近を、ピアノで表現した時にそれは”雑音”やノイズが付帯していると表現するかな?
同じ音程でも、チェンバロにはチェンバロの、フルートにはフルートの”音色”が有るというよね。
発振器だから、悪い”雑音”は困るけど、-120dBレベルでの位相ノイズはゼロにはできないからオーディオパーツ(楽器?)として考えれば、各クロック素子には”音色”が有ると言っても良くはないかな?

 

 

技術サイドから思わぬ哲学、情緒的な提案…。

もっとも『オーディオ装置は独自の音を持ってはいけない』(ティム デ パラヴィチーニ EAR社創設者)てな言葉も有って…。
オールインワン的に考えて各パーツを磨き上げれば、-120dBレベルで出来ないことは無い領域(神の領域?)なのかもしれませんが…。

ま、しかし現実的なことを言えば、良いルビジウムなみに位相雑音が少ないという、スペックや技術的な難しいことはともかく、Antelope やTEAC等の他の機種と比較すればクロックの出力が一口だけなので、DACなど他の機材にもクロックを供給しようと考えれば、別途クロックジェネレーターを追加する必要が有るのが、当面の問題と言えば問題と言えるでしょうか。

…しかし、もう一台、二台?いや三台購入しても他のクロックに比較すれば、おつりがくるかも、な価格。
(注※実際何台も同時に導入するとクロック間で問題が発生しかねないので止しときます(笑))

同社にはこの他、パーツをさらに吟味して、電源部を強化した、ちょっと気になるOCXO単体の上位グレード”Platinum”があります。

…で、肝心の音は?

確かにまたまた変わりました!ほんとに?と疑うあなたにもきっと分かる、絶対わかるその差!
取説にある”超ナチュラル傾向”というのが分かる音です…やっぱり音色?(笑)
比較して初めて気が付く差かもしれませんが、クロックなし(内蔵クロック)ではキリッとエッジの立った生々しさ、という感じでしたが、マスタークロック有りではシルキーな感じが加わり、それはフィルターでは無い、本来のきめ細かさだという差異が分かる(…ような)感覚です。
CDをPWTを通して聴いた音に更に近くなりました。

例えが難しいのですが、写真を少したしなむ院長としては…
マスタークロック接続無しはデジタル写真の編集段階で、少しシャープネスをかけた鮮明さ。
対して、クロック接続有りは録音の粒状性そのものが元々緻密で滑らかだった事を思い出させ、つまびらかにしてくれるクリアさ。
かなり良い例えではないかと自惚れております(笑)が、やはり結論はその人の好きずきで決まる…ってなレベル、オチになりそうですかね…。

だから、変わったとは言っても、”いい音になりました!”とはこれまで、口にしていないズルい私…

本音は?…ウーン…、クロック無しにはもう戻れませんかね…正直…。

ところで、マスタークロックは日本製ですが、「クロックリジェネレーター」正直このような分野は韓国が得意とは思っていませんでした。
ニッチな分野かもしれませんが、しかし、だからこそでこのような完成度の高い素晴らしい製品を作り出した”SOtM”に敬服、感謝するとともに、韓国という国の産業の意外な(失礼!)裾野の広さに感じ入ったところでも有りますです。

2018.1.2

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