風邪のウイルス
耳より情報
風邪を引き起こすウイルスは、数百種(それ以上…)に上ります。
『風邪』とはどういう定義の病気を指すのですか?…と言われると、正直返答できませんが…後述します…
…で、ある程度分類され名前が決まっているだけで、この数ですから、未知のものを加えるとその総数は、想像がつきません。
ウイルスにはそれぞれ、くっつくのが好きな場所が有ります。
逆の表現をすればくっついた(好きな)場所以外に侵略することがあまりありません。
ライノウイルス、やエンテロウイルスという風邪の代表的なウイルスが有ります。
”ライノ…”というのは『鼻』という意味で、鼻風邪のウイルスです。
鼻の粘膜に最初にくっつき、鼻の症状で人を苦しめます。
”エンテロ…”というのは『腸』という意味ですが、最初にここにくっついて、風邪の様な症状を起こしてゆくというわけです。
したがって、ウイルスによって最初の症状はくっついた場所で、なんとなく違って当たり前のはずですが、なぜか風邪は、その人によって同じような感じで始まってくることが多いですよね。
CMの”あなたの風邪は、鼻から?のどから?”ですね。
RSウイルスのように、検査キットで診断がつくものも有りますが、外来レベルではほとんどのウイルスの同定は不可能です。症状も似たような経過をたどることが多いものですから「風邪症候群」にひっくるめられることになります。
…で
一般的な風邪のウイルスは、上記のようにターゲットとする臓器が「上気道」と特定されており、症状もマイルドに進行することが普通です。
これに対して、インフルエンザウイルスは、ターゲットの臓器が、「上気道にとどまらず広範囲」なので、全身がやられて症状が激しくでます。
このため、”インフルエンザは風邪では有りません!”…と盛んに喧伝されて、一般的な風邪とは違う疾患として考えられるわけです。