”中耳炎”は子供だけの病気ではないので、注意が必要です

”急性中耳炎”(大人編)

大人は構造的に「急性中耳炎」になり難いのですが、
なってしまったら結構ヒドイことがあります。

症状として

●(強烈に)耳が痛い
●聞こえが悪い(多くは片方)
●聞こえの悪い症状がしばらく(何週間か)残る(最後に治る)

治療で痛みは最初に取れてくるのですが、医者がいうのもなんですが、相当痛そうです。

急性中耳炎になる原因としては、

風邪
●鼻のかみすぎ
飛行機に乗った
●泳いだ(ダイビング、素潜り等)
●飲酒、
●『体調不良』が重なる、等が考えられます。
※「飛行機に乗った」は下記参照してください

いずれもほとんどは、赤い矢印のところ(中耳)に、咽の奥からバイ菌が(耳管を通って)入る(逆流する)事によって起こります。

図のように、大人の耳管は子供より長く、角度が違いますので、もともとは、大人の耳は、子供に比べれば、かなり中耳炎にはなりにくい構造です。

逆に一度発症すると、ひどくなってしまい、子供に比べて治りに時間がかかってしまう、という羽目に落ち入りがちなのです。


治療としては

内服(消炎鎮痛剤、抗生物質 など)
●注射(抗生物質の追加が必要なとき)
●坐薬(鎮痛剤の効果が不十分なとき)
●鼓膜切開(内科的な治療に限界があるとき)

…いろいろ使ってやっと徐々に改善、”マジで寝れない”、”仕事にならない”、とシャレにならない痛みは最初の数日。

緊急で痛み止めを使うときはこちらをご覧ください。⇒急いで痛み止め

耳漏(耳だれ)が出る場合と、出ない場合が有り、必要に応じて上記のように鼓膜切開をします。

切開をしなくても、自然に耳だれが出てくることも有ります。
耳だれは、時に拍動性に、ドクッドクッとあふれるような出かたをすることが有り、かなり苦痛に感じられると思いますが、通常は心配いりません。(詳細は下記へ)
抗生剤や痛み止めを服用して、気持ちが良ければ冷やしたりと、やるべきことはやって、出来るだけ安静にしましょう。

勿論、患者さん本人としては、みみだれがどんどん出るのはショッキングな出来事ですが、急性の中耳炎は、耳だれが出ると多少なりとも、痛みが減ってくることが多いので、手持ちの痛みどめなどを服用して、ティッシュなどを取り換えつつ、できるだけ早く耳鼻科を受診してください。

治療すれば、大体、数日で痛みは収まってきますが、聞こえの悪さが週単位で残ることがあります。
聞こえの悪さは聴力検査では、それほどの悪い値を示さないことが多いのですが、左右の聞こえのバランスが狂うことによって、違和感として気になるようです。
患者さんにとっては一難去ってまた一難…。

痛みは少なくなってくる頃と思いますからもう少しですからね、と励ましつつ、もうしばらくですが、我慢の時間です。

多くの方はこの後完治するのですが、時に治療不十分で、さらに長引くことが有りますので、しっかりと治療を受けてください

症状が中耳炎とは違うかな?という方はこちらもご覧ください。⇒耳の痛い話
硬い耳垢が溜まって、外耳道や、鼓膜を刺激することで似たような痛みが出ることもあります。⇒耳鼻科で耳掃除

「アルコール(飲酒)」は、例によって?治りを悪くしますので、タバコと共に控えましょう。

⇒アルコールと風邪 もお暇が有ればご覧下さい。

オトナの急性中耳炎の耳だれ

※以下は上記と重複する内容があると思いますが、ご了承くださいね。

大人の方で急性中耳炎になった場合、以下の状況で 『耳だれ』が出ることがあります

①鼓膜切開をしたとき
②自然排膿したとき

①は耳鼻科で切開をしてもらったときですが、②は「中耳腔」の圧力が上がって、自然に鼓膜に小さな穴が開いて内容物が出てくることです。

「中耳腔」の周囲には”蜂巣”と呼ばれる、骨の空洞がたくさんあり、大きいときにはゴルフボールほどのスペースを作ります。
(下の写真を参照してください)

⇒レントゲン写真で『蜂巣』は下の”大人の滲出性中耳炎”のミドリ丸の中の模様のように見えます。

『蜂巣』は本来急激な気圧の変化や、炎症に対応しているのですが、正常な状況を保つことが出来なくなったときに中耳炎がおきて、このスペースの中に膿や浸出液が貯まるわけです。

子供の耳に比較してより大きなスペースを持つ大人の蜂巣は、元来炎症に強いのですが、一度炎症を起こしてしまうと、治りにくいのはこのスペースの大きさが逆にわざわいするからです。

スペースが大きい分、たくさんの貯まった膿や滲出液が出てきて、時に文字通りドクドクと脈打つように、あふれて出てきますので、ティッシュなどを当てて、頻回に取り換える必要がある場合も有ります。

痛み以上に、うっとおしく、不気味で不愉快な状況ですが、”汁”が出てくれたほうが痛みは治まる傾向に有りますので、手持ちの痛みどめなどを服用の上で、できるだけ近いうちに耳鼻科を受診してください。

⇒急いで痛み止め

航空性中耳炎

その名の通り、飛行機に乗って、気圧の変化に耳管の働きが追い付かずに起こる中耳炎です。

上記の急性中耳炎よりも軽症の事が多いのですが、時に結構苦しめられます。
発症しやすい条件としては飛行機に乗るとき
●風邪を引いている
●比較的長距離を飛ぶ(1000km以上)
●プロペラ機など(密閉が悪いとき)
●過去に同じ症状になったことがある
●二日酔い、睡眠不足など(体調不良)
●(元々)耳抜きが出来ない

等が挙げられます。

※写真はイメージです。

症状としては、飛行機が、着陸に向けて下降を始めてから、耳の聞こえが悪くなる、痛くなるという症状で起こることが多いです。
着陸後しばらくして改善する事が普通ですが、翌日まで、耳閉感(耳の詰まった感じ)特に痛みが持続するときは、耳鼻科を受診した方がいいでしょう。

子供さんもなるはずなのですが、幼少時の方はあまり来院されませんね、なぜかな…

飴玉や飲み物が機内で配られるのは、サービスという面と嚥下を促して、耳管の機能を保つ目的のためです。

実は飛行機内という環境は、ものすごく異質で特殊な環境なのですね。
考えてみれば、一万メートルまで瞬く間に上昇して、再び下降してくるという環境を”快適”に行えるように強制的に調整してます。
減圧のため上空でポテチの袋は膨らみ、逆に上空で飲んだペットボトルは、地上で気圧のため、べっこりへこみます。

一部の方の耳にはかなり無理がかかることがあるわけです。

実際、大空にあこがれて航空会社に就職して、どんなに成績優秀でも、上記の環境に適応できない人は、地上勤務です。

…ということで

飛行場で、耳が痛くならない耳栓!”なんとか”グッズ!と言ってよく販売してますが、残念ながら、はっきり効果のあるものはありません
病院で出す飲み薬も、完全に中耳炎にならないようにできる薬は有りません。ゴメンナサイ。

せめて、耳管周囲の状態改善、点鼻薬、痛みの緩和のためにと内服等の処置処方をしますが、完全に起こらないようには出来ない場合があります

でも、飛行機に乗る機会の多い昨今、その他にも手段は有りますので、お悩みの方は一度、耳鼻科に御相談ください。

大人の”滲出性中耳炎”

”中耳炎”のイメージは『痛い』という方が圧倒的ではないでしょうか?

『滲出性中耳炎』の主な症状は、●耳が詰まった感じがする。●聞こえが悪い。●自分の声が耳の中に響く。●あくびをするとガボガボ音がする。●中で水が動いている感じがする。等です。

あれ?痛くないの?
実は『滲出性中耳炎』を含む中耳炎の大多数は痛みを伴いません。
これは子供さんの中耳炎でも同様です。

『急性中耳炎』や『航空性中耳炎』の一部は痛みますが、これは”痛くないその他の中耳炎”がよっぽどひどくなった状況が”痛い中耳炎”で、その”痛みのインパクト”が大きいから目立っている!と、考えれば、分かりやすいかもしれません。


中耳腔と呼ばれる、音の響きに関する場所は、空気が充満していることが大事なのですが、”何らかの原因”でここの空気が少なくなると音の響きが悪くなります。空気の代わりに、”水”がたまってしまった場合を”滲出性中耳炎”と言います。
ここに貯まった”水”は体内から”滲み出して”きたものなので、この漢字を取って『滲出性中耳炎』と呼ばれます。

水がたまる原因として
●風邪
●鼻のかみすぎ
●耳管機能の低下
●乳突蜂巣の機能低下
●上記の組み合わせ、や年齢などが挙げられます。

写真は空気が多くいい状態の耳です。
文字通り「蜂の巣」のような”蜂巣”と言われる構造が良く見えます

の写真は、空気をあまり含まない耳です。水がたまりやすい、もしくはすでにたまっている状態を疑わせます。
蜂の巣の様な蜂巣構造がはっきり見えません。

空気の多い少ない、水のたまり具合、聞こえ、風邪などその他の症状、耳鼻科医はこれらをトータルで判断して、どのような治療が必要かを判断してゆきます。

(滲出性)中耳炎で、水がたまる場所

「右耳」の滲出性中耳炎の概略図です。

エックス線写真では分かり難い部分の模式図です。

向かって左側が外耳道、右側に鼓膜を境にして、貯まっているのが”滲出液”です。

つまり、滲出性中耳炎では、水は鼓膜の向こう側(中耳腔)に入っています
患者さんのこの病気の印象は、”プールで耳に水が入った時のようだ。”とよく言われます。

外耳道だと水は外に流れ出してくれるのですが、鼓膜の向こうにたまった水のために、水は奥でチャポチャポいうだけで出てこないので、治療が必要になるわけです。

この水に感染が起こると、炎症がひどくなり、痛みが生じ、急性中耳炎と呼ばれる状態になるのですが、無理に鼻をかんだり、無茶をしなければ痛みはあまりでないのが普通です。



急性中耳炎と慢性中耳炎の違い

鼓膜に穴が開きっぱなしの状態を、慢性中耳炎と呼びます。

シンプルな慢性中耳炎の症状は、●鼓膜の「穴」のほかに●聞こえが悪い、●耳だれが続く、●耳鳴り、かゆみ●子供のころから中耳炎を繰り返していた、●学校の健診の度に中耳炎と言われていた等です。

急性中耳炎が単に長引いたものも有りますが、体質的、構造的に ”なりやすい耳”を持っている方もおられます。

急性中耳炎は耳の痛みを伴いますが、慢性中耳炎は多くの場合痛みは伴いません
ゆっくりゆっくり、症状が進行して、本人が全然気づかないでいることも珍しくありません。

慢性中耳炎が痛みを伴ったときは症状がひどい時が多いので要注意です

多くの場合は初見で「慢性」が、「急性」かの判断がつきますが、稀には我々にも少し経過を見ないと、迷ってしまう症状の方がおられます。

特に大人の方は急性中耳炎でも子供さんに比べて症状が強く出ることがあります。
中耳炎かな?と思い当たられる場合は早めに受診することをお勧めします。

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