行楽の秋 、レンズは24mmよりも広角なレンズをそろえよう?
院長の時々日記
行楽の秋と言えば写真?
無茶ぶりですが、視覚と写真の話です。
視覚に関して、実は人間はかなりあいまいな感覚しかもっていません。⇒ヒトの情報収集もご興味有れば見てください。
…で、その根本には、人は結局”自分が見たいようにしか見れない(見ていない)”という事です。
たとえば、お空のお月さんは、満月時の見かけの大きさは30秒角位です。
これは例えると、火のついたタバコ(直径数ミリ)を持って思い切り手を伸ばし、その先の火を見たとき位の大きさに相当します。
これを聞いて即座に「なるほど」と納得できる人がどれくらいいるでしょうか?
おそらく、多くの人の印象は、「そんなに小さいはず無いのでは?」ではないでしょうか。
結局、最後に”みる”のは『脳』なのでその時々によって見たものが、違って感じられるという好例だと思われます。
水平線のお月さんが大きくて、天頂のお月さんが小さく見えるのも同じ理由”錯覚”のなせる業です。
ですから、写真を撮るときの命題は、あるがままに撮りたいというより、『目で見たままに撮りたい』です。
これはかなり文学的な表現ですが写真の本質を表した言葉です。
レンズにいろいろな種類があるのは、人が見たままを表現したいからです。
広角レンズでの見え方を比較してみます。
12mm広角レンズです。
”魚眼”では有りませんが手がミョーンと遠近感が相当強調されます。
壁、柱も逆ハの字に。
17mmレンズ。
遠近感は12mmほど強く感じませんが、構図に気を付けないと、違和感がでます。
24mmに比べると柱や、景色の多少の”歪”が気づかれます。
使いこなせば面白い!
24mmレンズ。
大分落ち着いて、周りの柱の傾斜も気になりません。
画角も見た目に近く、自然な見え方として撮影できます。
標準レンズとして相応しい写り方です。
28mm。
歪はほとんど気になりません。
撮りたいものが入らない時があるかな…。
35mm。
その昔、広角レンズとして憧れてました。
写りは問題なしです。
手元まで入んないですね。
もちろん撮影対象や状況によって、どのレンズが適正と感じるかは違ってきます。
その昔、標準レンズは50mm、それが人の視野を得るには実は35mm、いや28mm、24mm と、どんどん変化してきました。
雑誌や、メーカー、偉い人達の言うことが変わってきてますが、そもそもヒトの視野角は180度有りますし、現在はテレビがワイド化、高精細化してヒトの好む画角はさらに広がりつつあります。
安価で高品質な広角レンズを作る技術がなかったのも事実ですが、まことしやかに言われていることが必ずしも真実とは限らない、という事の好例だと思われます。(ちょっと大げさ?)
ざっと空を見て、見た目に近い空の広さの画角を得るにはフルサイズ相当で17mm以上の広角が理想です。
最近APS-C規格のカメラにも、やっとこの画角の広角レンズが揃ってきました。
技術の進歩のおかげです。
さすがに、上述の12mmは院長にはちょっと使いこなしが難しい…、魚眼の方がまだ楽かな…。
…で、ステップアップを考える方々はできればカメラレンズセットにフルサイズ換算で17mm程度になるレンズを加えてみませんか?
24mm程度にズームすれば、日常使いから、集団写真まで、周辺は歪みにくく、自然な見た目の角度に果てしなく近く、構図も作りやすい。
17mmでは構図の作成に、時に注意が必要ですが、表現の世界が段違いに広がること間違いありません。
…おまけ
ところで、皆さんは下の二枚の写真の違いが分かりますか?右に機材の大まかなスペックを書いてます。
CANON EOS5DMKⅢ
350mm テレコン×2使用
三脚使用
ソニーサイバーショットHX60V
プレミアムおまかせオート
焦点距離700mm相当
手持ち撮影
最初にモニターで確認したとき、正直、えっ…?!と無言になりました。マジでシャレにならない…。
バカチョン(失礼)でなに?このクオリティー!?、700mmでおまけに手持ち撮影!!
デジタル処理がありますので、拡大すれば差は出ますが、少々の大きさではサイバーショットの方が、ずっと「本物らしく」見えます
現在のコンパクトカメラはすごい進歩です。
あまり写真を撮らない人が「実質」を買うならば、下手に一眼レフやミラーレスにレンズセット買うより、絶対ズーム機能のしっかりした(もちろん24mmからの)コンパクトカメラ!!(笑)
使い方次第で数万円の投資で、その実力は時に価格差ン十倍を軽く凌駕します。
…戯れに月の写真とりて、余りの出来に 三歩歩まず(泣)
いやー悲しいーなー。