不断の心
院長の時々日記
忠烈祠の衛兵(儀仗兵)です。
一時間おきに、写真のような交代式があり、30分以上かけて、二箇所二名ずつ、4名の儀仗兵が交代します。
身長178cm以上、体重65㎏±1㎏の、陸海空軍から選び抜かれた精鋭が、約半年間の厳しい訓練を経て、儀仗兵として任務に当たります。
交代式以外の儀仗中は、歩行はおろか、身じろぎも指一本動かすことも不可、瞬きも最小限、自分で虫を払うことも、汗を拭くことも許されません。
最低限の”お世話”は後ろの、黒づくめの衛兵が行いますので、儀仗中の兵士は、そこにひたすら人形のように”居続ける事”が要求されます。
なかでも院長の印象に残ったのは、道に残された靴跡です。
衛兵は、極めて統率された動きで歩を進め、行進中は鉄鋲の音が辺りに響きます。
真中が隊長、両脇を各二名の衛兵が固めます。
廟までの100数十メートルを、一時間に一回づつ往復するだけなのですが、幾星霜、繰り返し往復した靴跡が石の上に、まっすぐに刻まれています。
文字通り雨の日も、風の日も絶えることなく、積み重ねられた営みの跡です。
見栄えのする、華麗な儀仗兵の動きに目が行きがちですが、『本質』は見落としそうなこの地面に刻まれた五本の靴跡にこそあるのではないかと、なんだか分かった風?に考える院長でした。