風邪とアルコール
からだの雑学・あれこれ耳より情報
風邪や体調の悪い時に、アルコール類を飲んではいけません。
身も蓋も有りませんが結論は明解です。
多少の体調の悪さなら、飲んでも構いませんという、記述を見かけます。
風邪の時に少量ならば、良い効果をもたらします、という記載もしばしば目につきます。
全くの誤解で、体調の悪い時、病気の時のアルコールは身体に良い影響を及ぼしません。
『酒は百薬の長』は健常者のみ!!
特に風邪のような感染症の場合、アルコールの摂取は、厳に慎むべきです。
理由は簡単!『症状が悪化する』からです。
「消毒」と称して、飲むことが有ると思いますが、厄介なことに、飲んだ時は神経が麻痺して、軽くなったような気がしますが、気のせいです。
必ず、リバウンドが来てひどい目にあいます。
アルコール(エチルアルコール)は、「日本薬局方」という日本で使用されているお薬の本に載っているれっきとした医薬品の一つです。
薬理作用は単純明快「あらゆる生体活動を抑制する」ことにつきます。
●精神活動を抑制する、
●運動活動を抑制する、
●免疫活動を抑制すると、生体にはすべて抑制に働きます。
寒い夜に、酒を飲んだ人が、道端で凍死してしまうのは、生き残るために大事な生体活動まで抑えてしまった結果です。
酒を飲んで暴れるやつがいるじゃないか、興奮作用が有るんじゃないのか?と言われますが、違います。
これは暴れてはいけない、人に迷惑をかけてはいけない、または、我慢しなきゃ!というような社会秩序などに関する脳の活動の高級な(人間らしい)作用が先に抑えられることによって、より原始的な(動物的な)働きが一時的に強く顔を出すことによります。
酒を飲むと、気が大きくなる、怖いもの知らずになる、のはこの高級な、より人間らしい感覚が先に”抑制”されるためです。
更に酒を飲ませれば当然、原始的な獣性も寝てしまいます。
…ということでアルコールに興奮作用は有りません。
じゃあ、玉子酒が風邪に良いというのはどうなんだ、という質問があるでしょう。
本来の玉子酒のレシピは、日本酒を煮切る(アルコール分を飛ばし切る)ことにより、栄養分である、アミノ酸などの、身体が消耗したときに有用なエキスだけを濃縮して、これに卵を加えて、患者の滋養強壮に用いることが目的です。
玉子酒は決してアルコール摂取が目的ではありませんので、ご注意を。