Z601-FE83sol製作、試聴|大牟田市の耳鼻咽喉科立石医院

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オーディオ・音楽関係

Z601-FE83sol製作、試聴

オーディオ・音楽関係

音工房Zさんのスピーカーキット Z601-FE83sol を購入。
完成品のバージョンの販売も有りますが、作ってみたい院長はキットを購入。

41、000円位の定価でしたが、ポイント利用で、これより若干安価に購入させていただきました。

8cm単発はZ701-Modena-BHBS-mini を愛用していましたが、お嫁入り。
ユニットも違い、躯体は少し小さめになっているのですが、音工房Zさんの開発過程のレポートのように、バイオリンなどの単楽器、8cmの特性上、ボーカル系が得意なスピーカーになるはずだということで、耳音痴の院長は、駄耳顧みずに聞いてみたい一心で購入。

今回、もともと精密な木材加工に加えて、ダボ穴加工まで施されており、至れり尽くせりのキットです。

梱包を解いたところ。

8cmユニットはマグネット部がそれほどマッチョではありませんが、Fostex の自信作。
オレンジの塗装が目をひきます。音道、仕切り板の部材こそ、そこそこの枚数が有りますが、シンプルな構成です。
スピーカーユニットと、転倒防止の固定用の穴には鬼目ナットをねじ込む場所、が有ります。

 

鬼目は結構まっすぐ入れることが難しいナットなのですが、難なく精密に有るべき場所に収まってくれました。

”事前にユニットがきちんと収まるか確認してください”と指示されていますが、問題なしでした。

パーツの確認を兼ねての仮組み。

ダボ穴があり、楽ですが、時々きつめのダボがありますので、打ち込みすぎに注意。
パーツにつけられた番号を確認しながらの作業になります。
続いて本組み、音道を形成する中仕切り部分の製作です。

今回はタイトボンドを使用しましたので、乾燥速度が速く、塗り間違いで、しまった!というのは、ヘタすると”致命的な”ミスになりかねません(笑)、慎重に確認しながらの作業です。

板につけられた番号と、合わせの矢印を頼りに本組みを進めます。
音工房さんのHPで組み立ての”コツ”が閲覧できますので必ず参照!!

最初に直角に組んでおくべきパーツがいくつかあり”L”字型になるパーツに的確にクランプをかけるのが院長は苦手。

少し曲がって固定されたものは、壊れるなよ!とお祈りしながら”矯正”しつつ側板を叩き込むハメになります。
しっかり乾かしたがいいか、少し柔らかいうちに組んだかいいか、院長は後者を選択。

幸い、破滅の音を聞くことなく高い精度のパーツに支えられながら、驚くべき短時間でユニットは完成してゆきます。

ここまでは比較的ゆっくりと作業が出来ましたが、スピード感が求められるヤマ場は、側板付け。

音道側のダボ穴にボンド塗りこんで⇒ダボ打ち込む⇒音道の部材のヘリ側にボンド塗って⇒塗る量に注意しながらはみ出ないようにならして⇒側板のダボ穴にボンド塗って⇒側板の嵌め込み…… あ!吸音材張り忘れてる!!、ここダボ抜けてる!…ダボが入らない(接着剤多すぎ…)!!

どんくさい院長は、パニックになりつつ作業を進めます(笑)

側板にはダボ穴が10数か所と、たくさん…。
コンマmm単位でこれだけの穴を正確にあける品質管理に敬服しつつ、ダボ穴にボンドを塗りこんで行きます。

つけすぎには注意、ダボが入らなくなります。

側板を一枚づつ、圧着して行きます。

焦りは禁物ですが、あっという間に乾燥しますので(作業中は特にそう感じる…)クランプもかけんといかんし、なんだか焦る…
製作も大詰め。

バタバタしたものの…、大きなトラブルなく、結果わずか数時間、一日(半日?)で完成!
できたらできたで、消費者はわがままなもの。
Z701の斜め切りでビビってたほうが、ダボ穴が無いほうが、なんだか達成感があって自分で作った気がしたかもしれない…とか、音工房さんの苦労も知らず、言いたい放題しますので困ったものです。

単発のスピーカー作製で結構うれしい?のは、ユニットのハンダ付けがシンプルなことです(笑)

ショートしないようにしっかり絶縁して、プラスマイナス間違わないで、スピーカーねじ込みの際に、ユニットをキズつけないように注意しながら組んで行きます。

組みあがったユニットは、向かい合わせ逆相にしてダイナミックレンジの大きな楽曲を大き目な音量で2~3晩流しっぱなしにして慣らしを行います。
オーディオチェック専用のソフトも色々市販されており、この中には”慣らし”のための音源も入っていますね。
位相から、部屋の共振、周波数特性まで色々なチェックができますので、音好きの方は一枚持っておかれるべきかもしれません。
あ…、私が持ってなかったって事だけですかね…。

 

Z800との大きさ比較はこんな感じ。

Z701と比較しても背の低さを感じるコンパクトさ。

バフルなし8cm直付けのシンプル顔

エンクロージャーの部材の色、デザインと相まって、やはりZ601の系統であることを感じさせます。

さてユニットが変わってどんな音を聞かせてくれるのでしょう?

視聴に使用した機材は以下の通りです。

アンプはNmodeのデジアン『XPM2F』
もしくは『XPM100』です。

唯一無二の1bitデジタルアンプの精鋭?です。
音の傾向は、付帯音が少なく再現性に心を砕いたリアルな音というイメージです。

DACはPSAUDIO 『NuWAVE DSD』
音源はCD、もしくは、ハイレゾ。
ダウンロードはFLAC形式。
少しハイサンプリングにも拘ってみました。

CDはSoulNoteの『C1』

以上の組み合わせの音の特徴は、忠実でハイスピードであるということでしょう。
速い音は早く、ゆっくりな音はゆっくりに暖かい音は暖かく、寒色な音はそのように、まんま再生します。

…で

試聴はシンプルな、ボーカルが中心、なおかつ楽器の音が少ないような構成の楽曲を選んでみました。
もちろん下記以外にも色々のCDを聴きましたが、偏見でFE83-sol の特徴が出そうなソフトをチョイス。

懐かしいなー、と思われる方も多いでしょう、リナ・ニーベリ『CLOSE』
スウェーデン出身の彼女のピュアな歌声が堪能できるー作。

歌声の素晴らしさに加えピアノのエスビョルン・スベンソンが寄り添うだけでなくドカドカと”気合い入れて”伴奏しています。

歌声の邪魔をしないように、しかし結構ピアノのダイナミックレンジは損なわず、オーケストレーションの楽器であることをちゃんと主張して、ピアノ部だけでもアンプ、スピーカーの特性によってあたかも違う楽曲のように感じさせる味わい深い一枚と思います。

井筒香奈江『リンデンバウムより』お勧めは「無意識と意識の間で」
彼女の歌ははっきり好き嫌いが分かれるでしょうが、原曲をリスペクトして歌っています(と思います)。
極端に少ない音数、レトロなノイマンマイクを使用して、モディファイしているのかいないのか、リップノイズの混じるボーカルは、目の前で聞くよりも生々しいという表現が分かるようです。

ピアノが「CLOSE」とは別の方向性で寄り添い、歌声を高めるように一体となって一つの音楽を目指しています。
”最小限の楽器とのユニット”これが彼女の持ち味と思います。

キャロライン・ヘンダーソンもストックホルムの出身ですね。
『Made in Europe』から 「Om natten」ヨーロッパジャズ、うーん、ジャンルがジャズになるのかな?…

黒人の声ながらアメリカンとは異なる(と思う)その歌唱、歌心、地を這うベースとの取り合わせの妙はいかが?

 

 

 

 

山崎まさよし 『秒速5センチメートル』から「One more time,One more chance」その他。

ギターと男声ボーカルのシンプルな組み合わせ、聞きなれた歌声、やはり映像と音楽の組み合わせは強いです。
サントラのインストゥルメントも入ってます。

 

 

 

ゲルギエフのショスタコービッチ。

「バイオリン協奏曲第一番」の第三楽章の後半のバイオリン独奏部。

大変な難曲ということらしいですが、その辺分からない院長は、和音と不協和音が、ないまぜになった演奏、ソロパートから終楽章に一気になだれ込んで行く部分をよく聴き比べます。

 

 

 

がこれというのが…(笑)
PTXは「RUN TO YOU」「DAFT PUNK」辺りはいかがでしょうか。

院長の年齢ですと、『The Singers Unlimited』でしょうけれども。
デジタル時代のアカペラと、アナログ時代の最高峰を聞き比べてみるのも悪くないのでは?

 

 

…上記以外にも、色んなソースを聞き比べましたが、 FE83-sol の性格が有る程度はっきりしたようで、発声領域の周波数の特性は素晴らしいものが有るのではないでしょうか。

Z800は持ち前の中音域の豊かさでオールマイティにCDの中身を再生してくれます。
ボーカルも、あくまで全体の一部として、しかし当然かなり気持ちよく再生してくれます。
必要十分な高音に中音の巻きついたボーカルは艶っぽさ、生っぽさを併せ持ちます。
リップノイズは、しばしば録音の敵かもしれませんが、Z800では生々しさとして好ましく感じました。

デジアンを導入して、ハイスピードと駆動力に気を配った結果、再生の際に高域に不満を感じることが少なくなりました。
最大入力が150Wのツィーターのポテンシャルは、それなりのアンプのパフォーマンスを要求するものなのでしょうが、本当にそれが叶った暁には更なる世界を約束してくれるでしょうか?

Z1000はボーカルとピアノ伴奏の好録音だと、ピアノの独奏部などは、ピアノのために有る曲か?と思わせるようにほれぼれと鳴り、やっぱりピアノが得意なスピーカーなのだと感じさせます。
10cmのユニットのためか、ガタイのためかFE83-solに比べるとボーカルは幾分フォーカスが大きめに感じます。

躯体の大きさから、ダイナミックレンジの大きなソフトは更に得意で、グランカッサの超低音、そしてスピード感のある音ゆえ、その皮鳴りまで忠実に再現します。
スピーカーの能力が高いので、比較的低出力な、幾分非力と思えるアンプでも、信じられないパフォーマンスを発揮してくれるのも魅力です。

Z601-FE83-sol の8cmユニットはボーカルを際立たせ、曲の主役が歌い手で有ることを認識させてくれますが、ソフト(声)の録音の可否のような”粗”まで露骨に表現しつくすのでご用心…。

再生域のダイナミックレンジによるのでしょう、小音量でも、再生に苦労することはなく、クリアで清澄な音を聞かせてくれます。
結果、音同士が張り合わず、隣の部屋からでも、透明な”彼女”の歌声が耳に届きます。

小音量でも高品位で満足のゆく音質を得ることが出来るスピーカー、これは結構得難い特質ではないでしょうか。

楽器の特に低音域のレンジをすべてカバーすることは叶わなくとも院長の好きなギターやバイオリン、チェロ等に特性を生かしたパフォーマンスを期待でき、楽しめるスピーカーと思います。

8cmといえば、Z701-Modena とスピーカー径は一緒ですが、Modenaユニットとはかなり性格が異なる音ではないでしょうか。

低音まで万遍ない、再生のソースを選ばないZ701に比べて、”特化”というと不本意かもしれませんが、ややコンパクトな躯体に収まった、ボーカルを特に得手とするFE83-solユニットの今回のZ601は比較的性格のはっきりしたスピーカーに仕上がっていると思います。

お時間あればこちらもどうぞ…⇒当院の音工房Zのスピーカー

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