耳鼻科と吸入|大牟田市の耳鼻咽喉科立石医院

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院長の時々日記

耳鼻科と吸入

院長の時々日記

耳鼻科で、吸入治療をした、という記憶はみなさんありますか?
吸入治療は、蒸気の種類で、大まかに二種類に分けられます。

①熱で発生させた、大粒の粒子の蒸気(蒸気吸入)
②超音波で発生させた、小粒な粒子(超音波吸入)
※この間の粒子もありますが省きます

いずれかの方法で薬を混ぜた薬液を粒状化して、治療に用いるのです。

①は、薬液はのどの周囲にとどまり、比較的手前のノド付近で効果を発揮します。
②は、気管、気管支などのノドの奥まで到達して、ぜんそくや、のどの奥からくる咳、痰を改善します。
小児科さんでは、この②の種類の吸入が多いでしょうか。

風邪の初期によくみられる、「のどが痛いんです!」には①、子供さんなど、ゼコゼコ、ゼロゼロしてますなどは②が多く用いられるようです。
問題は、耳鼻科では、「のどが痛いんです」、という訴えが多いことです。
何で問題かというと、治療のための蒸気吸入器が手に入らない状況があります。

現在、医療機関向けの、蒸気吸入器の完成品はほとんど手に入りません。

治療点数がないがしろにされているので(無いに等しい)、(吸入治療)する病院もない→器械が売れない→作らない。
という悪循環の構図でしょうか…。

当院には、予備の器械があり、当面の運用は問題ないのですが、今後、長期としては不安があるため、自前で蒸気発生器全体をシステムとして手当てしました。

当初メーカーサイドからは経験のない改造にあたるのでは?との意見もでましたが、使い方を逸脱はしておらず、完成間近な頃にはメーカーさんも興味津々でした。既存のパーツ類を利用した、なかなか良好なシステムと自負します。

もちろん、最大限に気を使ったのは当然安全性ですね。

発電用のジェネレーターも作ってるメーカーらしい…

蒸気を発生させるジェネレーター本体(上写真)は、室内使用を想定された、静粛性、安全性の高い機種です。
本体に圧力調節装置や、安全弁が備わっていますが、蒸気の外部取り出しに際しては、更に圧調節バルブ、安全弁、蒸気圧ゲージを付加しました。

最初は発熱の多さを心配して屋外の設置を考えたのですが、熱さは夏期もほとんど問題でなく、一安心。
むしろ、バブリングというか、湯が沸く時に気泡が発生する、ジーッと言う音が気になることが有るくらいです。対処法もわかりました。

…結果

ⅰ)素晴らしくきめ細かい、上質の蒸気が手に入る
ⅱ)水の補給が必要ない

というのは、これまでの経過がある当院としては非常にありがたい長所なのですが、

システムの価格がかかる、ジェネレーター本体で数十万位
という価格の面が、短所としては挙げられます。

これを安いと考えるか、髙いと考えるかは、意見が分かれるでしょうか?
当然当院は、治療という点において、良いシステムが手に入ったと考えています。
耐久性はランニングコストになりますので、気にするところですが、丸二年たった現在、今のところノートラブルです。
今後の状況は変化があればまた、報告します。

おまけ

不思議なことに、患者さんの間でも、とっても吸入が好き、という人とそうでない人に分かれます。

台風の日だろうが、なんでそうしてまで?と来院いただく患者様と、正直あまり好きでないという方がいます。
吸入が苦手な方は、診察の時にどうぞお申し出くださいね。

そうそう、診察して、吸入までしたら、二重三重にお金がかかりますから結構です、と言われることが有りますが、不思議なことに診察だけした時の方が、治療費が高いことがあるのです、知ってました?
特に耳鼻科の場合でしょうか、診察していろいろな治療までした方が、診察だけの場合に比べるとお金は安くつくことが有ります。

そんな馬鹿なと、思うかもしれませんが事実です。
世の中には理不尽なことが有るのです。

これには、深い悲しい歴史?があるのですが、その話はまた後程…。

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