Z1000-FE108sol試聴 :11月
オーディオ・音楽関係
音がした方を思わず振り向いてしまう…、そんな”リアルな音”に憧れ、音工房Zさんのスピーカーと奮闘中。
ダメ耳の院長ですので、皆さんがこの記事で被る”被害”のいかなる責任も負いかねますのでご了承くださいね(笑)。
待望のZ1000-FE108solが届きました。
丁寧な梱包を解いて、ようよう引っ張り出したZ1000、”想像より大きい”が正直な第一印象でした。
今回のZ1000は近い将来キット品を出すであろう予告が、音工房Zさんからされていました。
院長はこれまでキット派、だったのですが、敢えてキット化を待たずに完成品のバージョンの購入を決めました。
理由はただ一つ、完成品のほうが、躯体が大きい事がわかっていたからです。
やはり、良質な低音にはそこそこのガタイが必要であろうと常に言っていて、心の奥底で納得する、一応”声”を気遣う職業の院長。
音工房Zさんのスピーカー、下は大きさ比較です、左から ①Z601、②Z800、③Z701、そして④Z1000です。
左の三機種はキット組み上げ、Z1000は初めての完成品の購入ですが、仕上げの美しさはさすがですね。
Z1000が手元に届くまでに院長のオーディオシステムを多少見直す機会が有りました。
自分のこれまでのシステムではZ1000は上手く鳴らしきらないだろう、と危惧していたからです。
それだけZ1000のポテンシャルを確信していました。
…ただ、見る人によっては、アレッ?とか 、ンン~?と思われる組み合わせであろう事は百も承知ですが…。
…そこはいつものセリフ…これは”院長の一存”です(笑)
ただし、常に目標とする再生音は、レスポンスが良く、シャープでキレがあり、見通しがよく、臨場感が有ってリアルに生々しく…。
アコースティック系から、交響曲までも余裕でこなす。
尚且つシンプルで”比較的手頃な価格”、そんなシステムを目指し、かつ妄想して組み合わせているつもり…。
写真のアンプは、以前紹介したNmodeの『XPW1 SE』パワーアンプですね。
入力はRCA端子一組と、XLRが一つあるのみのシンプルな1bitデジタルアンプ、重量(わずか)2.9㎏、最大出力16W(8Ω)の小さな巨人?価格は8万位、今回の試聴のメインアンプとして聞いてみました。
パネルの表にはスイッチとボリュームのみ、ヘッドフォンのジャック穴もありません。
このほか下の写真のXPM2Fも使用。
音源は、引き続きソニーウォークマンZX1に頑張ってもらいます。
連続再生のためにクレードル使用
DACはPS AUDIOの 『NuWAVE DSD 』価格は16万位
ダウンロードは、通常CDからはMediaGo使用でAAC256kbps以上、ハイレゾはソニーのmoraからFLAC形式で購入。
CDプレーヤーは『Soul Note 』
院長は吉田苑さんで教えてもらうまで、全く知らなかったブランドです。
マイナーな印象ですが、まあ聞いてみてくださいよ!的なメーカーではないでしょうか?
院長は通常CDの音質を結構高く評価している部類の人間なのですが、いい意味での”純粋”なCDプレイヤーが少ない気がしておりました。
その旨を相談したところ、その傾向はあるだろうとのことで、これはいかがですか?と紹介されたのが ”Soul Note”の『C‐1』 です。
この機種はトランスポートとしての使用も可能で、デジタルで取り出したソースをDACにつなぐことができるのですが、それはまた後の楽しみで。
プレーヤーとしての実力は?
第一印象はエッジの効いた立ち上がりの良い音に感じます。
スピード感があって、院長の好きなモニターライクな、味付けの少ないしかし無機質ではないピュアな感覚、音工房さんの音作りに矛盾しない、潔さと気持ちの良い方向性を感じます。
比較のスピーカーは、おもにZ800‐168HR、そしてZ701ModenaBHBS、時にDS2000HRです。
迷った時の細かな音のチェックにはオーディオテクニカのヘッドフォンAD-1000を使用。
音質の方向性は各機種の”味付け”が薄くなって、システムトータルでモニターグレードというか、よりナチュラルでピュアな方向に。 高音域から、低音域まで万遍なくハイスピード、ハイレスポンスな再生音を聞かせてくれるようになったと思います。 そしてリアルさは必須条件でした。
※DS2000HRはやや大型の密閉型のスピーカーです。
音工房Zさんのサイトでも紹介されてますが癖のない自然な再生音が特徴と思います。
42㎏の躯体に加えてスタンド10㎏の重さですが、レスポンスはかなり良好で、オーケストラはもちろん、サックスのソロの細やかさ、残響音も美しく再生、大きさゆえの低音の響きも十二分の、いまだ納得の音と思います。
比較機種として選んだ理由は、音工房Zさんの機種がバスレフポートや壁、後部の反射板との距離などのセッティングで低音域が結構変化するので、音のバランスの確認”リファレンス”として登場です。
今回使用した『XPW1 SE』の音質は、デジアンらしい、ハイスピードで追従性が良く高分解能、中音域の明瞭さ、引き締まった低音に、しかし1bitながら?ナチュラルな表現…、の印象。
独断ではありますが、市中のかなりの(より相当に高額な…)機種に引けを取らないパフォーマンスなのではないでしょうか。
…あ、どこかで”3万と100万のアンプを比較”した企画が有りましたね…。
ま、本社の所在地が福岡県(粕屋郡)の『Lyric』、”地元”は割合と院長のツボです。(笑)
アンプのパワーは16Wですが、これまでZ800の通常使用で不満を感じる事はまずありませんでした。
能率の関係でしょう、Z1000FE108-solでは聴取目盛は11時位が、Z800 で同じ音量は12時過ぎくらいです。
以下は聴取CDの一部です。
『solus』P.Epsteinの、優等生らしくないサキソフォンのソロが聴けます。
Ma recordingsの常連?で録音の妙を知り尽くしており、残響音も素晴らしく、”環境”も楽器の一部と分かります。
チェックに際して、特に四、六曲目がお気に入りです。
『驚異のコントラバスマリンバ』
”ボカーン”という超低音を響かせてくれる有名なアルバムです。
Z1000はZ800 と比較してもワンランク違う超低音を響かせてくれます。
なにかと「低音」が強調されるCDですが、その実かなり繊細な演奏ばかりの一枚です。
『La Segunda』
ワンポイントマイクのみで、こんなにリアルで臨場感が有って音圧の差が少ない高品質な録音がなぜ可能なのでしょうか。
ボーカルから弦、管楽、打楽器
、極低音まで。残響、音色含めて、音楽性豊かな一枚です。
『Sous Les Voutes,Le Serpent』
スイマセン、題名が読めない…。
表紙の古楽器「セルペン」にパーカッション、女性ボーカルまで、録音が気味悪いほどリアル(褒めてる?)
お鈴のような高域、低いホルンのようなセルペンの響き、不気味?なボーカル、音場、定位感 等チェック要素の多い一枚。
この他、もちろんピアノソロ、ギター、室内楽、交響曲、パーカッション何でもかんでも聴き比べ!ですが、音楽ソースの詳細はまたの機会に。
Modena、Z800のユニットに比べ、FE108-solは最初から、すごい低音とともに、ハイスピードな高域含めてかなり好い音で鳴ってくれていましたので、チョット騙されました?
やはり、慣らしは重要です、いやむしろ馴染むのに,他より時間の必要なユニットなのかも…。
一日10時間以上の慣らしを数日繰り返して、それでも高、中音域に違和感を感じた院長、壊れませんように、とお祈りしながらもう少し音量を上げて更に数日経過。
結果は上手くいったようです。
慣らしが進むとともに、高、中音が少しバラけていたような感覚は、どんどん少なくなって、音域のつながりの滑らかさ、音の幅広さがスムーズに感じ取れるようになってきました。
慣らし半ばでは、ウーン中々音が熟さんな…、と不安と焦りが頭をもたげますが報われました。
難しいのは、慣らし始めればちょっと前の音聞かせて、が出来ませんよね、音は進化するので、変化したのか、自分の耳が慣れたのか、錯覚か?
…たった楽しく”聴いてるだけ”の我々で、いろいろ心配するのです。
ユニット決めて、設計して、躯体決めて、自分でダメだしして…、製作する側は一体どんだけ、神経すり減らすのだろうと、時に物分かりの良さそうなことを口にする院長…。
…で、院長がZ1000-FE108solに感じるのはすごい低音もさることながら、勝るとも、劣らない魅力が高音から中音にかけての表現にあるということ。
躯体の大きさ以外にZ1000購入を決めた理由が、ユニットのマグネット部の充実でした。
同じ10cm総重量103‐sol 650g に対して108-sol は1200gとかなりの差。
その効果はきっと大きいのでしょう、さりげない演奏の 傍らから出てくる、ドウンと響く低音の、豊かなこと…。
逆にパワーゆえの、重たさはスピードや切れ味、分解能を心配するところでしたが、心配無用のパフォーマンスでした。
特にピアノは分かりやすく、アタックから弦一本一本が中低音で震える様も、緻密に再現。
院長はポートの桟は入れて使用です。
桟は黒で底にフェルト付き、重量感が有って、とても高級な仕上がり、不用意に触ると指紋が取れなくなりそう…。(ホントに取れないので要注意)
音工房Z さんの試聴会のコメントで、低音の優秀さは異口同音で、院長が改めて口に出すまでもないのでしょうが、空気感というか、文字通り空気の震えという聴感以外で”体感する”モノという感覚は独特です。
Z1000の低音は直接”身体”に働きかける、質の違うものと感じます。以前、自衛隊の一般開放時、何発聞いても”腹”でしか聞こえない、しかもどこで撃っているのか、その方角すらわからない、「りゅう弾砲」の”極低音”の射撃音を少し思い出しました。
(豆知識;人は両耳に入った音の位相のズレや時間差で音源を感知しますが、極端な高、低周波では脳が高等な情報性を感知できず、知覚のみ生じるため、恐れ等の原始的な衝動が惹起されます。)
大太鼓が呪術的な力を持つのは低周波成分が一因と考えられる理由です。
ユニットのややハイ上がりの特性を気遣った試聴会のコメントが 散見されましたが、原音の音量+αを意識して再生した時、このユニットの、中音から高域に関しての性質に対して院長の答えは上述のごとく”嫌いじゃない”です。
…微妙な表現でしょうか(笑)、Z800に比べるとどうなんだと、問われれば高域の量感の増加は好ましく明瞭だ、とお答えするでしょう。
Z800や他のユニットに比べて、この高域がピアノや、サックス、弦の響きなど、時に”強さ”として感じられることがあり、慣らしを繰り返しても、あまり変化しないようですので、これはFE108solの特性かもしれません。
同じ人でも活動期と、少し疲労した状況とでは好む周波数の高低が変わる報告が有りますが、…当然でしょう。
キリッとしたこのユニットの明瞭な高音は、時に優しく歌って欲しい気持ちの夜、少し疲れの滲んだあなたの心には、音楽ソースを選ぶ事が有るかも?なーんて…。
…ところで
スピーカーの慣らしの方法ですが…
好きな音量で、ある程度の時間、鳴らし続ける方法が一般的でしょうか、Z1000FE108sol には、優しい慣らしは、なかなか効果が現れにくかった…、ような気がします(笑)
せっかちな院長的には、音工房ZさんのHP、Z800の開発やその他のところにも有った、(自己責任の)”大山方式”?がおすすめではないでしょうか?
その方法とは…音工房Zさんのスピーカーユーザーの皆様には、すでにご存じかもしれませんね。
ユニットを”逆相”で向かい合わせにして、”そこそこ大音量”の音を長時間流すのです。
コーンがバコバコ動いて見えるくらいの音量を”叩き込んでやる”わけです。
ピンクノイズが有るとベターなのでしょうが、無い院長はパーカッション系の充実した「Max on Max」「Chant」などをループで流します。
この時大事なのが、騒音対策で上記のように”片方のスピーカーを逆相”にすることです。
これで、低音の量感はガタ減りしますが問題は高音ですね。
院長は毎晩、診察室までウンショコ運んで朝まで鳴らしっぱなしにしてましたので、高域は目(耳)をつぶれましたが、住宅地ではそうもいきませんよね…。
…ま、タオルや布団を何重にもかけて対応するのが一般的ですね。
しかし、特に今回のユニット、院長の勝手な印象では、大き目な音量で、強めに、ユニットを”いじめて”おいた後が音が馴染んで、つながりのよい音になりました(…ように思います)。
最初、ユニット装着して、一週間くらい毎晩、朝までの上記の慣らしを繰り返して、数十時間…、大分いい音になってきたのですが、どうも中高域のスムーズさにピンとこない感覚が付きまとっていて、正直Z1000の音とは、こういうものなのかな?と思いはじめていました…。
そんなはずはない!音工房Zさんがこんな音で満足するはずはない!ともう少しボリュームを上げて更に数日、ウントコ ドッコイショ。
報われる日が近づいたようです、…うれしいです。
※上記のコメントはあくまで院長の私見です!鵜呑み注意!
この強制慣らし、メーカーさんは(立場上)自己責任でとおっしゃいます。
もちろんその通りなのですが、Z1000でいい音で聴こうと考えておられる諸兄なら、ユニットのパフォーマンスをよりよく引き出すためには、上記程度の処置は、恐れるものではないはず、と言ったら言い過ぎでしょうか?
…それでも横から見て、コーン部がバコバコと動いている様を尻目に、灯りを消してその場を立ち去るのは、途中で破れて火でも吹くんじゃないか?という気がするわけですが、やっぱそこは自己責任でしょうかねって、…そんな無責任?!…。
…ご興味あれば右下もご覧ください。
ァー