自分で耳掃除?
耳より情報耳掃除・みみあか
『耳掃除は(自分で)どんな風にやったらいいですか?』
当院、耳鼻科の患者さんのお尋ねの、定番中の定番です。
耳鼻科医の”模範解答”は『(自分たちで)耳掃除はしないでください』ですね(笑)
理由は簡単、「野生動物は、耳掃除はしません」です。
カバも、キリンも、70年生きるゾウも、一生耳掃除はしません。
動物の耳には自分で耳垢を排出する、自然の仕組みが備わっているのです。
当然人間にもその働きは、ちゃんと備わっています。
何より重要なことは、耳は、極めてデリケートな感覚器、センサーであるという事です。
空気の振動を感知するため、水素分子に匹敵する、わずかオングストローム(Å);10のマイナス十乗メートル;0.0000000001m単位の振動を感知する、極めて敏感なセンサーが入っているところなのです。
それでも耳垢が貯まることはあるでしょう?とよく質問されます。
勿論、ありますね。そのために耳鼻科医がいるとおもいますよ。と説明します。
ヒトは動物の中で最も手が器用なので、ついつい耳掃除をしてしまいます。
驚くほど簡単に、耳の中はキズがついてしまいます。
同じ感覚器のご自分の『目』には綿棒は突っ込まないでしょう?
耳は目と同じか、それ以上に、弱い構造をしていますよ。とお話します。
そして、耳は何度かキズが付くと、極端に治りが悪くなることがあるといういわくつき?の場所でもあります。
どうしてもご自分で、掃除をするときには、絵の青い矢印の②の付近までの、外から1cm位までの辺りを掃除してください。
ここまでは、比較的、皮膚が強いので、綿棒であれば、それほどヒドイことにはならないでしょう。
これより奥は触らないほうが良いです。
でも、その深さはどうやって知るの?
…確かに、ご自分では難しいですね…
そして、心配なのは、耳垢を、押し込んでしまった時です。
②を越えて奥に入ってしまった耳垢は、耳の構造上、自分で外に出てきにくいです。
…そういうときに 耳鼻科医の出番⇒耳鼻科の耳掃除です。