補聴器はリハビリ?
耳より情報
聴力低下がある程度以上だと判断されれば、補聴器をかけた方がいいかもしれない、ということになります。
前述のように、聴力は大まかですが「音を聞き取るはたらき」と「内容(言葉)を聞き分けるはたらき」に分けられます。
それぞれの検査は、「純音聴力検査」と「語音明瞭度検査」になります。
診察と検査、その後のご本人、ご家族の希望を合わせて、補聴器を付けるか付けないか、付けるならば、どちらの耳につけようか?片耳?両耳?につけようか?と判断を進めてゆくわけです。
これらの判断は、本人、ご家族との打ち合わせ、面談が重要になると思いますので、少し時間をかけて決定するのがいいと思います。
さて、皆さんに初めて補聴器をかけた印象を聞くと
「チョット、やかましかごたる…」
という方が割合多いです。
補聴器なしの、”静かな”状況から、急に音がたくさん入ってくる状況に、耳も脳も慣れていないから、と考えられます。
補聴器の音は、人工の音なので、それまでご自分の耳で直接聞いていた音、むかしの記憶の音とはずいぶん異なる印象でしょう。
昔はこんなに聞こえていたんですよー、と説明しながら、最初は小さめの音から、徐々に大きくして行きましょうと説明します。
補聴器をかける時間も、最初は短く、慣れるに従いゆっくり時間をかけて徐々に長くしていくといいと思います。
ご本人が補聴器をつけた方が良く聞こえるんだと、理解して納得いただくことが大事なのです。
補聴器は、必要な音も、雑音もみんな拾って、大きくしてしまいますので、その中から、自分の聴きたい音だけを選び出す”練習”に時間がかかるのです。
補聴器も、リハビリのように練習が必要です。
無理をせずに、気長に何か月もかけて、慣らしてゆく気持ちを持ってください。
眼鏡のように、作って何日かで慣れて、よく見えるようになるというのは、難しいようです。