Z800-FW168HR 使いこなし
オーディオ・音楽関係
院長なりに色々使って、鳴らしてみて「リファレンス音質」であることをつくづく実感させられるZ800 。
「リファレンス音質」という再現性は、なんなのだと?聞かれれば、おぼつかない考えながら、『入れられた音がそのまんま出てくる』特性だと答えます。
速い音は速く、緩い音は緩く、冷たい音は冷たく、温かい音は温かく、小さい音は小さく、大きい音は大きく。
ある時、プロがリファレンスとする音源で、音楽ソースのこのパートを聞いてみてください、といわれて…にわかに信じがたし、演奏そのものではなく演奏の周囲に滲んだように存在する足踏みの音が、どのように演奏にまとわりつくかまでを聞いて、オーディオの状態、並びに録音状態を把握して、システム全体の評価につなげるというディスカッションを目の当たりにします。
”売ること”を目的にしている、文字通り”玄人さん”の目標は、単純に楽しんで聞くわれわれとは根っこが違うと思い知りますが、自分レベルは音楽が心地よければ、「音」が「楽」しければ”音楽”それで良し!(笑)
しかし、このようなシビアに緻密に狙った複雑な音響でも、Z800は苦も無く表現します(…と思います)
打てば響くを地で行く、ハイパフォーマンスなスピーカーです。
音質のカギを握るのは、やはり2㎏を優に超えるツィーターT250D(…と思います)
しかし、この重量級のツィーターを良好にドライブするには、アンプの重要さを避けては通れないようです。
T250Dはツィーターでありながら、許容入力が150W(ウーファーのFW168HRが100W)という、院長にすればツイーターという概念からは、かけ離れたモノ。
では、単にパワーの大きなアンプであれば良好な再生が出来るかというと、どうもそうではないようです。
良好な再生にアンプに強く必要とされる要素はパワーを併せ持ったスピード。
この重いツィーターを上手く鳴らすコツは瞬間的に大きな容量をツィーターに叩き込んでやれる事。
制動力も大事で、収束の良くない”緩い”アンプだとでキレのいい高音が出ずに、スーパーツィータの追加が有効になります。
XPW1-SE、XPM2F で鳴らしてみて、二機種とも同じ会社のデジアンでありながら、中高音域の”おさまり”がだいぶ異なっていて、アッテネータ、スーパーツィーターの追加で好みの音に調整していました。
もちろん、結果、まずまず良好なドライブは得られるのですが、音楽ソース等によって、思い通りでない再生音に感じる事が有り、時にはCDごとに微調整が必要でしたが、音を”聴く”とはそんなものである…と使いこなしている感覚は嫌いではありませんでした。
そんなあるとき、Nmodeのデジタルアンプの上位機種を聞く機会があって…おやっ?
何も付け加えずに低い音から高い音まで、ソース毎に調節不要に、万遍なくあるがままに、忠実に音楽が再生される感覚を実感しました。
音源は通常CD、PS AUDIOのCDトランスポートに、DACは『NuWAVE DSD』、そしてアンプは、Nmodeの最上位機種 『X-PM100』でした。
写真のように院長には眩しい X-PM100
入力は5系統あり、後部のスイッチ切り替えでパワーアンプとしても使用可能。
出力はNmode各機種ほぼ横並びの”わずか”10数ワット、サンプリング周波数はXPM2Fよりやや少ない20MHzながら、電源部の強化でシリーズ最大の瞬発力と制動力を得て、 重さはそれでも15㎏。
実際鳴らしてみると、Z800 と相性が好いと感じていたスーパーツィーターの存在の必要性が希薄になります。
更にZ800の特徴と思っていた中音域の充実が、Z800単体の再生で高い音から低い音まで、リニアに万遍なく再生される感覚に置き換わり、「リファレンス音質」である、ということをより感じるようになった次第です。
ウーン、ここまで違うとは…。