最近のオペ室事情;ロボット支援手術|大牟田市の耳鼻咽喉科立石医院

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からだの雑学・あれこれ

最近のオペ室事情;ロボット支援手術

からだの雑学・あれこれ

ロボット支援手術と聞いて、ピンとくる人はいるでしょうか。
通称『ダ・ヴィンチ』と呼ばれる遠隔操作手術ですね。
向かって左のコンソールボックスから手術操作を行います。
患者さんは右に位置しており、ロボットアームが多数見えます。

非常に細かい操作が可能で”特定”の手術にはかなり有効であることが分かっています。
…”特定”の手術には…、ですが。

院長は麻酔科の人間、麻酔科サイドからの視線ですので、オブラートには包んでますが、誤解を招きかねない表現が出るのはご容赦ください。

ダ・ヴィンチは実際の施術の際に結構気を遣う手術なのかもしれません。
手術自体、通常の内視鏡手術以上に操作範囲が限定されますから手術時間は長めに必要です。
手術時の体位にもかなりの要求度があり、さあ手術をしましょうとセッティングが整うまでにかなりの時間を要します。
トータルで考えれば巷に言われるほど、侵襲の少ない手術ではないのではないかとも思えます。

患者さんは機械の山に埋もれて見えません。
麻酔器は遥か患者さんの頭上に避難していて、ロボットアームが邪魔で、麻酔医に限ったことではありませんが、万一の患者さんへの直接のアプローチが必要な際には、多大な労力と、迅速な判断と、なにより強い決断力が求められます。

…で、

批評するのは簡単なのですが、一方でダ・ヴィンチのような手技は外科の救世主になるかもしれないとも思います。
諸般の事情により、昨今外科医になることは避けられる傾向が顕著であります。
結果、外科医を目指す医者は激減しています。
自嘲的に外科医は絶滅危惧種である、との言葉はよく耳にします。

その中で一見”スマート”で”クール”に手術ができるこの装置は、一度は使いこなしてみたい⇒外科になってみたいと思わせるオーラを持っているかもしれません。
本体の価格がべらぼうで、術式の保険収載上まだまだ一般に普及という概念からはやや遠い位置にあるかもしれませんが、麻酔科とペアで、外科復権のシナリオの一翼を担う一端となってくれんかな…、とは思います。

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