Z505+Z800 試聴②
オーディオ・音楽関係
楽器の中で最も音域の広いものはなんでしょう?となれば、周知のごとくパイプオルガンです。
特に下の周波数は、優に20Hz を下回りますので、再生する方にとっては厄介?な楽器です。
ハイレゾ全盛の昨今ですが、肝心のマイクロフォンの音楽的に有効な録音可能域が20Hzを下回ることは現在でも簡単なことではないと思いますし、録音できたとしてもこの領域を忠実に再生できるオーディオシステムは果たして…。
なにより、人間の可聴域を飛び越えた領域なのですが、まあとにかくパイプオルガンの試聴版を。
ヤン・クライビル「Organ Polychrome」
高音質のリファレンスレコードからのリリース。
ややオフマイクのホール全体の音響をも気持ちよく収録したアルバムです。
小音量でBGM的に鳴らすもよし、大音量でブオーと、床を鳴らすもよし。
ギターなどの単楽器では、Z800、Z1000(FE108sol)単体との違いがわかりにくいソフトもありますが、ここまで確信犯的に広い領域の音を万遍なく含むソフトで比較すると、当然といえば当然、違いが明確になってきます。
同じ低音でも「Chant」のように”ダン!”と収束する音では、大きな違いを気付きにくいかもしれませんが、エネルギーの関係でしょう、ブオーと吹き付けるような低音には違いを感じます。
すごいトルクだ!って、そんな車みたいな音楽表現はあるのでしょうか?
ただ、この種類の低音は、単純にスピーカーの大きさが大きくなればある程度表現可能なものかもしれません。
理論的には、直径の大きなユニットでスピード(レスポンス)のとことん早いユニットならば、あらゆる帯域の音の発生ができるハズですが、そうはいかないのが世の常なのですね。
Z-Trentoのように、Z800専用にダンピングから、磁束密度まで計算しつくされ調整されたスピード感を併せ持つユニットには、またユニットに合った得意な音を発生させてあげたいとソフトを探すのも面白いかもしれません。
…オマケ
試聴に向くか、向かないか、更なる低周波を含む(…かもしれない)ソフト。
演奏がとても好きなので紹介します。
同じリファレンスレコードレーベル、SACDハイブリッド版
マイケルスターン「サンサーンス交響曲第三番”オルガン付”」。
録音もさることながら、演奏も極めて秀逸。
院長には、他の”オルガン付”に比しても、更に神々しいな…と感じられます。
オルガンを担当しているのは、上のCDと同じヤン・クライビルです。
この曲は編成が多少変則的?で、一、二楽章がそれぞれ前半部、後半部に分かれるという4部構成になっています。
サンサーンスの実験的精神でこのようになったとされますが…いや、ただの4部構成だろ?と言われればそれまでですけど…。
…で、このCDでは一楽章の後半部に20Hzを明らかに下回る音が収録されています。
17Hz位でしょうか、院長の感覚的な値なのであてになりませんが…、コーン紙がボコボコと前後しているのが目に見えます。
本当に、Z1000のFE108-solなど、数えることが出来そうに震えますっていうか、壊れそう。
ボリュームを上げると、自分のシステムでは(もちろん再生範囲も可聴範囲も超えている)はっきり音にはならないのですが、”モモモモモ…”という、思わずあたりを見回してしまう不安さが生じる体の感覚が誘発されます。
このCDはSACDのハイブリッド版です。
SACDのスペックは上は100KHzに届こうかという広帯域。
下は理論的にはDCと聞きますから、まさかゼロHzまで?ま、通常のCDも理論上の収録可能なスペックはDC~20,000Hzだそうですから。
需要(高スペック再生可能なシステム)があるから供給(スーパーオーディオCD)もあるのでは?
で、この周波数を首尾よく再生できる方はどんなオーディオライフをなさっているのでしょうかね?
どうせ、自分なんかに聞こえないことは分かっていますが、でも体験してみたい、いや知りたくもないような…、そんな気がするスペックと演奏です。
…申し訳ありません、戯言です。