Z505-Trento+Z800FW168HR 試聴①|大牟田市の耳鼻咽喉科立石医院

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オーディオ・音楽関係

Z505-Trento+Z800FW168HR 試聴①

オーディオ・音楽関係院長の時々日記

Z505 製作記事はこちら その①、その②その③

(写真は音工房ZさんのHPからお借りしました)
Z505-TrentoとZ800のサイズの違いはごらんの通りです。

Z800には少なからぬ愛着を感じていて、うまく鳴らしきらない面と、ずぼらな院長でも素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれる面とを実感してきました。

サイズから受ける第一印象は(すみません偏見ですが)だいぶ大きいけど切れ味抜群のZ800と違うモッサリ感が有ったら困るんだが…。
…裏返しは、大山さんが作るんだからどんな体に響く、Z800の切れ味を補う低音を聴かせてくれるのだろうか?

…結論やいかに?

※すべてはあくまで当方の主観ですので、なにとぞご了承くださいね(院長)※

Z800に対して、基本セッティングは、”つなぐだけ”です。

別にアンプ用意したり、デバイダーの準備などが必要無くて、このようなグレードアップのチャンスをもらえるのは院長のような初心者には極めて有り難いことです。

※他機種との連携で、プリ、メインアンプ、デジタルデバイダーを使用して、完全にサブウーファーとしての使用も想定してあるようですので、ご興味ある方は音工房Zさんに尋ねてみてください。※

接続、音出しの前に多少の簡単な留意事項は有りますが、それは購入後のお楽しみで、ここではスルー。
Z800とつなぐと院長の環境ではインピーダンスが8Ω→4Ωになります。
併せてどんな音になるのかは楽しみです。

最初の音入れは恒例の、あれ?からですね。
固いというか、新品の馴らし始めは毎度戸惑う音です。
音同士のつながりがなんだか…、接続は?鳴っているのか?アンプが悪いのか?なんか間違えてる?音入れの初めの時はいつもの事、その音がどう変わってゆくのかが結構な楽しみですが、毎度一瞬不思議に思います。
何時間かは鳴らしこんでいたつもりですが、ウーファーでもそうなんだ…と

時間が経ってくると、音はみるみる熟成、大山さんの狙いが見えてくる…ような気がします。
以下に試聴ディスクの一部を挙げてみました。

レポートはいきなり、肝心の低音の豊富なソフトから…。

 

コープランド、「市民のためのファンファーレ」
ダイナミックなオーケストレーションと低音、グランカッサの皮の響きまで感じることができる優秀録音です。

 

 

 

極低音の評価が強調されるコントラバスマリンバのCDですが、ほとんどの楽曲は極めて繊細。
スピーカーに向き合わないと失礼なような気がして、院長には聴きつづけるのがしんどいくらいです。

 

 

驚いたのは、(考えれば至極当然のことですが)誇張された、こけおどしの低音が全く無いことでした。
逆に、こんなにデカいんだから、もう少しボーンと響くんじゃ?…ないんです。
FW168HRほどではないかもしれませんが、『Chant』でもダンピングの利いた低音を発生します。
視覚(大きさ)から低音を予想した場合、最初の印象はおそらく、低音が少な目?ではないでしょうか。

接続する際に留意点が有り、併せてZ800のダクトに簡単なチューニングを施しますが、これは結果院長の視聴環境では極めて効果的に思え、後々のチューニングの拡張の可能性も含みます。
聴きこんでゆくにつれて、Z505の性格が見えてきます。

Z800 の特質をそのまま拡大するように、そしてさらに音場が広がってゆきます。

狭目の院長の環境ではZ800は緻密な再生能力から巨大ヘッドフォン的な感じと常々感じていましたが、Z505はウーファーなので、もうほんの少し音を大きくした方がより良く歌ってくれます(…のように思います)。
…なんとか定常波が無く、音響がデッドに過ぎず、ライブに過ぎないギリギリ…の建物の環境。

Z800単体に比して、緻密さは全くスポイルされず音量に応じて低音がきわめてリニアに増幅されて、高性能16cmのスピーカーには苦手も有ったんだと気付かさせる、さりげないしかし明確な主張。

極めつけは音場は広がっても、音像が広がりすぎる(ボケる)ことがありません。
ピアノなどは音が大きくなるだけでなく、楽器そのものが大きくなってゆくような不思議な感覚…。

 

大井和郎「リスト超絶技巧練習曲(初稿)」
リスト15歳の作品、後の超絶技巧練習曲の初稿集
ややオンマイクで、こだわりぬいた録音と演奏は手の位置から、指の動きまでが見えるよう(…な気がします)

 

ピアノという楽器は想像以上に音域が広く、特にベーゼンドルファーインペリアルはエクステンドベースがあって、人には聞こえない”ハズ”の唸るような低音まで発生します。
Z505+Z800では明らかに、Z800、やZ1000(FE108-Sol)単体とは異なる領域の音まで再現してくれ、一弦の震える倍音も一層生々しく表現します。
弦の響きの繊細さはそのままに近く、音が厚みを増して、立体的になったように感じられます。
これは、ツィーターから、ウーファーまでの音域のつながりの良さの証明に他ならず、単体スピーカーとの差に驚かされました。

さて、より繊細な領域である高域の多めなソフトやボーカルにTrentoの影響は…

 

ピーターエプスタイン「Solus」
ソプラノサックスの4曲目は演奏、録音ともに絶品。
教会ホールの反響音からトータルでの再生が高難度

 

 

 

カミーユ・ベルトー「Pas De Geant」
フランスの女性ボーカル、エスプリの利いた心地よい、しかしある意味超絶技巧の歌手
“Giant step”と行きたいところですが”Goldberg”はいかが?
しかし…歌うかこんな曲、普通?!

 

Z800、Z1000(FE108-Sol)単体での再生に比較しても、弦やリードのビリつきまで、同様に極めて良好に再生します。
ありきたりな表現ですが、音量を上げても全く耳につくようなことはなく、音のつながりに、違和感を覚えることも有りません。
ヴォーカルの歌手の口の大きさは音量に比例してきれいに大きくなってくれます。

小音量から、大音量まで万遍なく含まれるソフトは…


ジョージクラム「A Haunted Landscape」

作者が世界各地で幽霊を感じたという霊感をもとに作曲されたとか…
ピアニッシモが多くを占めますが、効果的に強打が出現します。
弱音から、強打まで万遍なく再現するのが難しい。

 

 

ヨウン・レイフス「SAGA Symphony」
強烈な打音が持ち味?のアイスランド出身の作曲家
ハイドンの「驚愕」どころではなく、ボンヤリ聞いていると、マジで飛び上がります。
しかしその真骨頂は、ほんとは弱音部の繊細な構成にある…と院長は思います

 

ppからffまで幅広く含むソフトは、Z505の懐の深さゆえ得意な分野ではないでしょうか。
しかし、院長の音楽的表現能力はもはや限界…、再生は繊細にして広大、ピーキーでなく下から上までトルクフルな性格は高低差に神経質になることなく、バンピーでテクニカルなラインを安心してトレース出来るような安定感として、積極的にアクセルを開けることが楽しい…云々…バイクか?

…これ以上は無理です、後は皆頑張って聴いてくれー。

閑話休題

鳴らし始めからまだ三十時間程度ですが、これまで経験した事のない世界を体験させてくれます。
院長の試聴環境にはまじまじと、デカイな…というのが印象ですが、抽象も具象も音に抱かれてます。
真に良い音のために必要な大きさなのでしょう。

Z800など、単体で勝負していたユーザーさんにとっては、スペース確保、視聴環境検討からして悩ましい事も有るでしょう。
新規の方はハナからZ800とZ505の抱き合わせでの運用は極めて魅力的な選択と思います。
いわゆる”オーディオルーム”と呼ばれる、広めな環境で存分に歌わしてやりたいものです。
それだけの価値があり、音工房Zさんにとっては、ターゲット層が広がる可能性がありそうです。

”音”にこだわる、いわゆるピュアオーディオ、という方法論があって、定義はともかく、”音”の一粒々々に命かける道があります。

じゃ、このマルチで”ピュア”は?と問われれば、Z800 の調整、その他のチューニング、今回のTrentoスピーカーのレスポンス、程よいダンピングの利き(優しさ?)そして基本のキ、となるトータルのセッティングの機微を忘れてはならないでしょう。
音域、楽器、ボーカル、単体スピーカーに比してもディテールの表現の上質さ、”ピュア”さを多々実感することが出来ます。

参考までに、院長のZ800は初期型のキット製品、現在はバージョンアップしてペアで20万弱(キット)で購入できるでしょうか、マイナーチェンジにより幾分音の方向性も変化しているかもしれません。
(詳細は省きますが、音工房さん側のコメントでは、ニュータイプはより”ピュア”な指向が強め?的な発言も有るような…)

Z505-Trento(キット)はペアで14万弱、なんと特注ユニットだし、60㎏でも送料無料だし…音工房さん、大丈夫かな…。
当然数量限定、出るかもしれない?完成品(追記参照)の価格は分かりませんが、ユーザー各自の価値観を考慮しても信じられないコスパ、なんとも種々幸せな巡り合わせを下賜されてきたものだと感謝します。

追記(※2019年6月”完成品”が出ましたね、いつまで有るかは不明です。詳細は⇒コチラ

…オマケ

試聴用のすごいBlue-rayDVDが販売されています。
Stereo Soundからの、ハイレゾリファレンスチェックディスクです。
PCM、DSD、それぞれサンプリング周波数やbit数が違うのですが、なんと比較の為にオリジナルの演奏を、5つの方式で同時に録音しているのです。
世界初の試み。

アップサンプリング云々などでなく、各方式別々に、同時に。
機材だらけの製作風景が公開されていますが、圧巻と思います。
その道の人が見たら、驚愕するのでしょう。

当り前ですが、ハイレゾの性質を知り尽くした人たちが作成していますので、違いが分かりやすい音域や演奏の内容にはなっていると思います。

…で、違いが判るかどうかはまた、別のことでしょう。
『耳と再生装置の実力が試される』と銘打ってあります。

まるで、間違い探しをするかのような、これは音の違いでなくて、セッティングの違いだな!などと重箱の隅をつついて喜んだりしていますが、院長の耳はともかく、音工房さんのスピーカーは十二分にリファレンスレベルの能力を有しています!…と思います…。

税込だと14,000円位しますし、PC環境が必須ですが、我と思わん方々はどうぞチャレンジあれ!

…試聴②に続く

 

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