ジェネリックの難しいところ…
お知らせ院長の時々日記
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、これまで使っていたクスリが販売中止になるので、違うメーカーさんから購入しようかという話です。
ジェネリックの医薬品を供給しているメーカーさんは特色を出すために少し他社と違った梱包や単位の製品を用意していることが有ります。
今回困ったのは当院が必要としている単位の製剤が供給停止になったことです。
ジェネリックのメーカーさんは先発品の製造企業に比して、会社の体力が小さいことが少なくないので、簡単に供給困難になりかねないのです。
採用している側としては遅滞なく補うためにはジェネリックでない、いわゆる”先発品”と呼ばれる製品を、戻って使用することになりますが、これはすなわち”価格”、患者さんの負担金に反映されます。
このような事態とリスクはジェネリック採用当初より想定されていて、今回明確に露呈した形ですね。
先発品は安定供給性は厳密ですが、価格はジェネリック製品に比して、割高です。
たとえば、表で丸印のジェネリック1618円に対して同じ規格の先発品は2501円となります。
院内で、小分けして梱包するという選択肢も有りますが、在庫の品ぞろえを多くするのは、零細な医療機関においては在庫を抱え込む恐れと、なによりパッケージを数多くする、などの変更、区別ができにくいので、処方ミスの原因になりかねないのです。
今回、この薬は一包装単位、つまり一回服用量につき、”二円位”の値上げになってしまうのですが、頓服使用で、回数はせいぜい数回程度のクスリですので、あえてジェネリックから、先発品に戻すという処置といたしました。
…注射一本で数百万円という高額の製剤がしばしば新聞で話題になる昨今、当院の受付では『前より二円高くなったと、文句言われないかな…』と心配しているのが現状です。