ノドからだけじゃなくて、耳が痛い話
耳より情報
耳はなんともないハズなのに、耳が痛くなることが結構あります。
患者さんの訴えは、当然”耳が痛い!”です。
⇒「ノドが痛いと耳までイタイ」の項のように、咽と耳の神経が接近しているところがあります。
このため、咽の炎症から耳に響いた痛みが出ることがあります。
唾を飲み込むのも痛いような時は早めに耳鼻科に相談しましょう。
ところで、なぜか、この逆の「耳が痛いと→ノドまで痛みがひびく…」というのは少ないのです。
これは神経の走行に関係があるようです。
それはともかく…
東洋医学の鍼灸で耳の後ろに『翳風』というツボがあります。
『翳風』(えいふう)とよみます
耳たぶの後ろ、を触ってやや下の方で、下あごの骨がふれる、くぼんだ所です。
聴力や、顔面神経の病気の治療に用いられます。
ご存知のように、耳は体中のツボが集まっている、ともいわれます。
「耳ツボダイ○ット…」とかという言葉はみなさん聞いたことが有るでしょう。
この理由のひとつとして、脳から、⇒大事な神経が、12本出ていますが、このうちの多くが、この『翳風』付近に”枝”を出しています。
このため西洋医学的にも、耳以外の痛みが耳に現れる理由が比較的明確な場所だと言えそうです。
これら以外にも、例えば、肩が凝ったり、首が痛かったりする、これらは脳神経の働きとは直接関係ありません。
筋肉や骨の神経同士が信号を受け取りあって、一本の神経から周囲の神経に痛みの信号が広がって伝わり、『翳風』付近に刺激を及ぼし、なんだか耳が痛い…となることが結構有ります。
解剖学的にも、かなり複雑な神経の走行がこの付近にはあります。
もちろん、中耳炎、外耳炎、真菌、耳下腺、顔面神経麻痺、ヘルペス、リンパ節など、耳の近隣そのものの原因による痛みも多いです。
硬い耳垢が外耳道や、鼓膜を刺激していることもあります。⇒耳鼻科で耳掃除
耳はよく聞こえるし、患者さん本人としては耳の働きは何ともなさそうなのに、『耳が痛い』というときは、耳以外の周囲から、神経に響いているということも考えられるわけです。
例によって、詳細は医療機関でお尋ねください。